異種族の国の中枢神経【実況者】三 (ページ16)

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第112話　悪夢の花園19　蝶の空間ページ16

ﾕｳｷ「ここは...」

大量の本が並ぶ

図書館？なのだろう

聞き覚えのある声が、図書館の奥から聞こえた気がして

声の方に向かうと、そこには

どういうわけか兵士に取り押さえられている
過去の自分を眺める

ﾕｳｷ「エミさん...？」

エミさんがいた

ｴｰﾐｰﾙ「ユウキくん...？何故私の夢に？」

ﾕｳｷ「あ、えっと」

((事情説明))

ｴｰﾐｰﾙ「ほう、それで...変な夢だと思ったんですよ」

ﾕｳｷ「あの、これは？」

気になって、過去の彼を指差して聞いてしまう

ｴｰﾐｰﾙ「それじゃあ、話をしましょうか」

彼はそう言って優しい声で語り始める

ｴｰﾐｰﾙ「私はエルフの国で教授をしていましてね？まぁ国に有る本をほぼ読んでいたものですから、よく生徒に授業以外でもここで歴史の話などしていたんです」

ﾕｳｷ「へぇ...」

ｴｰﾐｰﾙ「そして読んだ通り教えていますから、国が隠したい歴史も、教えていたんですよ...」

ﾕｳｷ「それで、捕まったと」

ｴｰﾐｰﾙ「反国の罪だと言われてここに乗り込まれて...その歴史が書かれた本も燃やされまして、流石に間違っていると思いぶちギレて一人殺しちゃいました...それで、捕まりました」

ﾕｳｷ「殺したんですか...」

ｴｰﾐｰﾙ「えぇ、引きました？」

クスクス笑いつつ彼は俺に尋ねる

こういうときは気弱じゃないんだな、と少し思う

ﾕｳｷ「俺の過去の方がきっと引かれます」

ｴｰﾐｰﾙ「そうですか？」

ﾕｳｷ「はいそれに、俺は貴方の事嫌うなんて出来ませんよ」

驚いた顔をした後

彼はさっきとは違う笑みを浮かべて笑う

世界は、アリウムの花畑に変わる

　