40 ページ41
「織姫と随分上手くやっているようだね」
「上手く、といいますか...ただ時折お喋りしてるだけですよ。ここは女性が少ないですし、同性の方が話しやすいことも多いですから」
話すのは本当にたわいない事。ご飯の話や、友人の話、虚圏での生活の話、恋の話。彼女はすごく優しくて強い子で、こんな状況でもずっと気丈に振舞っている。
「そうだね。君に気兼ねなくできる相手がいるのはいい事だ」
彼は妖艶に笑って、目だけでもっとこちら来るように言う。素直に近づくと腰を寄せられ、否応無しに彼の上に乗る形になる。なんだか恥ずかしくて目を伏せた。
「A」
諭すような声に堪らなくなって彼を見るとゆっくりと指が絡めとられた。冷たい奥にうっすらと熱の篭った視線にゾクゾクと身体が期待に震えてしまう。
「分かっているだろうが、君は私のものだよ」
「...は、い」
じわりとした痛みが走って、首筋に赤い痕がついたのだろうという事がわかった。そうして彼にそのまま唇を奪われる。こんなの言葉遊びでしかないのに。いつまでだって心が揺れる。
「辛くなったら、いつでも来なさい。君は笑っている方がいい」
「ふふっ...じゃあ、どうしてもダメそうなら来ます」
本当は私が笑っていても、泣いていても惣右介さんの
握られた手は温かく、施された口付けは酷く深く甘い。勘違いしそう。勘違いしかけてる。ここにいる方が余程辛い。けれど、私はここに居たい。この人は全部分かっている。分かっていてそう言葉をかけるのだ。酷い人だなぁ、本当に。
また唇が重なり、するりと襟が広がっていく。背後の視線に見て見ぬふりをして、彼に身体を預ける。この瞬間だけでも彼が私のものだったらいいのに。馬鹿らしい願いをそっと胸に残したまま、絡み合った手をもう一度、しっかりと握り直した。
216人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Night(プロフ) - 初めまして!この小説の藍染様ほんとにかっこいいんです!更新が楽しみでしょうがないです。原作の藍染様!っていうのがほんとに…(語彙力)続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年3月20日 23時) (レス) id: a001c22ffc (このIDを非表示/違反報告)
かほり(プロフ) - こんばんは!初コメ失礼します。私自身BLEACHの藍染様市丸ギンがすごく好きなので、藍染様との原作沿いの中の恋物語は最高です!!!続きとても楽しみです!更新頑張ってください! (2019年6月21日 20時) (レス) id: 6e1ee19266 (このIDを非表示/違反報告)
焼き肉 - 初コメget!!続き楽しみに待ってまーす!藍染様良いですよね、こちらの作品の藍染様は全然キャラ崩壊してないし話も面白いので一気に読んじゃいました!素晴らしい藍染様をありがとうございます! (2019年5月11日 2時) (レス) id: 29a9ad1ad1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蝶々 | 作成日時:2019年4月1日 22時