守備範囲外でも愛してる【文スト】

酔っ払い ページ10

お付き合いしてしばらくの話。

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『森さぁん...。』

珍しく彼女から電話がかかってきて出て見れば、酔っ払っているようだった。

「A、大丈夫かい？」

直後電話が奪われる音がして、見知らぬ女の声に代わる。

『すみません。こいつの友人です。酔いつぶれちゃったんですけど、迎えに来て貰っていいですか？』

「そういうことですか。じゃあ行きますね。」

迎えに行った居酒屋でポロポロと泣く、彼女が森に抱き着く。子供をあやす様にしても余計に泣くばかりだ。後ろから彼女の友人らしき女がやってくる。

「酔っ払ってずっとそんなんです。本当に自分でいいのかとか、そんなことばっかり。ちゃんと、安心させてあげてくださいね。」

女はそう言って、彼女の荷物を森に預けて奥に戻る。運転手に彼女の家に行くように指示して森は彼女を撫でる。すると余計にポロポロと泣きながら喋る。

「うぅぅ..私エリスちゃんみたいに可愛くないし、12歳以下じゃないし...」

「気にしていたのかい？」

「いちいち反応するし...ただの看護師だし..私でいいのかなって...」

だんだん声が小さくなり、彼女は森から離れていく。しかし、車の後部座席では逃げ場はなく、呆気なく捕まる。後部座席の隅でそれこそ子供のように蹲って森を見上げる。

「どうしたら12歳以下になれますか...」

「何事にも例外はある。好きでもない人間を私はわざわざ迎えに行かないよ。」

「好きです。好き。...好きなんです。」

上から包むようにしてやれば、ひたすらに好きだと訴えてくる。酔った勢いとはいえ、ここまで言われてしまうと何か堪えるものがある。彼女の不安を取り除かなければという考えよりも、先に口が動いていた。

「君は私の女だ。いいね？」





最後の台詞言って欲しかっただけなの...。酔って不安をあらわにするAさんに言って欲しかったのです...。

●電話→←外套

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