【銀魂】吉原ラメント―背徳の恋―

【十四】無事で* ページ17

―総悟side




俺が土方の後についていくと


土方は


ある大きな木の下で


儚げに煙草を吸っていた。




総「…土方さん」


土「……総悟か」


総「…何で、あんなこと言っちまったんですかィ」




土方は


やけに悲しそうだった。




土「……あれが事実だからだ」


総「……ふざけんな。土方さんだって分かってたでしょぅ?
　 ザキ達は土方さんに"真選組副長"としての言葉を期待した。
　 それなのにあんたは……」




土方は


一体何を考えているのだろう…?




土「……でもよ、今年こそは見つかると思ったんだ。
　 だからこそ、あんなことを言った。」


総「……土方さん」


土「…馬鹿、だな。俺は…」




ﾌｩｯと煙草を吹いて


土方は告げた。




総「…土方さん、Aさんは…。」


土「…分かってる」




Aさんはもういない。


そう告げようとする俺の言葉を


土方は遮った。




土「…けどよ、俺はまだ信じたいんだ。Aは必ず無事でいるって。
　 失いたくないんだ、Aだけは。
　 だって、俺が惚れた大切な女だからよ…」


総「…」




土方は


情けない声でそう告げた。


それはもぅ、


泣きそうな声だった。




総「……土方さん、絶対にAさんのこと
　 見つけてくだせェ」


土「…」




それだけ告げると俺は


真選組へと


帰って行った。

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