検索窓
今日:51 hit、昨日:36 hit、合計:178,557 hit

6 ページ7

パタパタと走ってくる足音。

機械や患者、ナースや医者が出回って
ガヤガヤとしたスタッフステーション前。

そんな中、
「冴島さん!!」と私の名を呼びながら、
雪村さんがスタッフステーションに飛び込むようにして入ってきた。


「どうしたの、?」

雪村「あ、藍沢先生が、目を覚ましました!、」


白石「ほんとに、?私、行ってくるわ」

緋山「待って。あたしと冴島も。……話、しておきたいからさ」

白石「そう、ね。じゃあ行きましょ」

みんなが出ていく中、藤川先生だけは席を立たなかった。


藤川「俺、後で行くから。は…冴島行ってきていいぞ。」

「…………ありがとう」



****

病室に行けば、もう既に藍沢先生はベッドを起こしていて。



白石「藍沢先生、体調は大丈夫、?」

藍沢「……あぁ。心配ない」
白石先生の質問にそう答えた藍沢先生。



藍沢先生の"心配ない"は、大抵無理をしている時。

普通に見えるけれど、顔色はかなり悪い。

緋山「あんたさ、もう倒れたんだから白状しなさいよ。」


藍沢「………知ってるんだろ、だったら言う必要あるのか」

諦めたようにしてそう言った藍沢先生。


緋山「……本人から聞くのが1番よ。特にあんたはね。………とにかく、もうみんな知ってるから。治療は翔北(ここ)でしてもらうから」

藍沢「…………そのつもりは、無い。」

俯きながらそう言った藍沢先生。


緋山「………あっ、そ。なら、もういい。あんたの好きにして。…あたしは、患者であるアンタに従うわ。」
そう言って、緋山先生は病室を出て行った。





白石「緋山先生…あの、藍沢先生ごm…「白石。」


白石「なに、?どうしたの?」


藍沢「……もう、来ないで欲しいんだ。新海たちも、来ないでくれ、って伝えておいて欲しい。」


その言葉に、白石先生は固まる。


白石「え、なん……で、?転院するとしても、それまで少しの治療は…「もういい。……頼むから、1人にしてくれ」


藍沢先生は、下を向いたまま、こちらを見ることもなく言った。

白石「……分かった。…何かあったらナースコールしてくれたらいいから…。…ごめんね、余計なことしちゃった」


そう言って、涙を拭いながら病室を出ていく。



「……失礼します。藍沢先生」


そう言って、私も病室を出た。


"出て行ってくれ"

そういう彼の目は、何も移していないかのように暗く、しかし必死なように見えた。

7→←5



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (70 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
227人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

yuuftykk(プロフ) - さくらもちぱんさん» ありがとうごさいます!!楽しみにしてくれているなんて、とても嬉しいです!!頑張ります!! (2019年4月4日 14時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)
さくらもちぱん - 藍沢先生がかいた手紙とかほんとうに感動しました!毎回楽しみにしています。これからもがんばってください! (2019年4月4日 14時) (レス) id: cdc2a4987c (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - 愛子さん» ありがとうございます!!リクエストにお答え出来ていて良かったです!こんな作者ですが、これからもよろしくお願い致します! (2019年4月4日 9時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)
愛子(プロフ) - リクエストした話読みました。個人的には、これまでの話の中で一番です。これからもリクエストさせていただきます。 (2019年4月4日 2時) (レス) id: 0fe946f898 (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - 実桃さん» そんなことを言って頂けて、とても嬉しいです!!毎回読んでくださってありがとうごさいます!頑張ります、!! (2019年4月4日 0時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:自鳴琴 | 作成日時:2019年2月18日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。