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パタパタと走ってくる足音。
機械や患者、ナースや医者が出回って
ガヤガヤとしたスタッフステーション前。
そんな中、
「冴島さん!!」と私の名を呼びながら、
雪村さんがスタッフステーションに飛び込むようにして入ってきた。
「どうしたの、?」
雪村「あ、藍沢先生が、目を覚ましました!、」
白石「ほんとに、?私、行ってくるわ」
緋山「待って。あたしと冴島も。……話、しておきたいからさ」
白石「そう、ね。じゃあ行きましょ」
みんなが出ていく中、藤川先生だけは席を立たなかった。
藤川「俺、後で行くから。は…冴島行ってきていいぞ。」
「…………ありがとう」
****
病室に行けば、もう既に藍沢先生はベッドを起こしていて。
白石「藍沢先生、体調は大丈夫、?」
藍沢「……あぁ。心配ない」
白石先生の質問にそう答えた藍沢先生。
藍沢先生の"心配ない"は、大抵無理をしている時。
普通に見えるけれど、顔色はかなり悪い。
緋山「あんたさ、もう倒れたんだから白状しなさいよ。」
藍沢「………知ってるんだろ、だったら言う必要あるのか」
諦めたようにしてそう言った藍沢先生。
緋山「……本人から聞くのが1番よ。特にあんたはね。………とにかく、もうみんな知ってるから。治療は
藍沢「…………そのつもりは、無い。」
俯きながらそう言った藍沢先生。
緋山「………あっ、そ。なら、もういい。あんたの好きにして。…あたしは、患者であるアンタに従うわ。」
そう言って、緋山先生は病室を出て行った。
白石「緋山先生…あの、藍沢先生ごm…「白石。」
白石「なに、?どうしたの?」
藍沢「……もう、来ないで欲しいんだ。新海たちも、来ないでくれ、って伝えておいて欲しい。」
その言葉に、白石先生は固まる。
白石「え、なん……で、?転院するとしても、それまで少しの治療は…「もういい。……頼むから、1人にしてくれ」
藍沢先生は、下を向いたまま、こちらを見ることもなく言った。
白石「……分かった。…何かあったらナースコールしてくれたらいいから…。…ごめんね、余計なことしちゃった」
そう言って、涙を拭いながら病室を出ていく。
「……失礼します。藍沢先生」
そう言って、私も病室を出た。
"出て行ってくれ"
そういう彼の目は、何も移していないかのように暗く、しかし必死なように見えた。
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yuuftykk(プロフ) - さくらもちぱんさん» ありがとうごさいます!!楽しみにしてくれているなんて、とても嬉しいです!!頑張ります!! (2019年4月4日 14時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)
さくらもちぱん - 藍沢先生がかいた手紙とかほんとうに感動しました!毎回楽しみにしています。これからもがんばってください! (2019年4月4日 14時) (レス) id: cdc2a4987c (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - 愛子さん» ありがとうございます!!リクエストにお答え出来ていて良かったです!こんな作者ですが、これからもよろしくお願い致します! (2019年4月4日 9時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)
愛子(プロフ) - リクエストした話読みました。個人的には、これまでの話の中で一番です。これからもリクエストさせていただきます。 (2019年4月4日 2時) (レス) id: 0fe946f898 (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - 実桃さん» そんなことを言って頂けて、とても嬉しいです!!毎回読んでくださってありがとうごさいます!頑張ります、!! (2019年4月4日 0時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:自鳴琴 | 作成日時:2019年2月18日 21時