約束のネバーランド【男主】

40.シスターの異変 ページ41

洗濯の時間、石鹸のいい匂いに包まれながら、楽しそうに洗濯をする子供達の声が聞こえる。
その中でノーマンとレイの声に意識を向ける。

「おい、今朝みたか。シスター、物置の床ガン見してたぜ？」

レイの言葉に僕も思い出す。
あれは本当にホラーだったな。思い出すだけでも鳥肌が…

「あぁ、エマから聞いた。"標的"を探す一連の行動…ママの制御(ねらい)に反している。
やっぱりシスターはママとは別に(・・・・・・)動いている。
さて、ママと一枚岩でないことを喜ぶべきか、鬱陶しいと嘆くべきか。

あ、ちなみに足跡は何の確証にもならないよ。スリッパのサイズなんて年長者は誰も同じだし、時間がないなりに何を探したかわからない程度には歩き回っておいたもの」

流石ノーマン。

「足跡がダメなら次、また別の何かで来るぞ。問題はシスターがなぜ独自に標的を見つけたいのか、目的(ソレ)如何によっては」

「『鬱陶しい』では片付かない」


「あれ？ドンは？」

「そういやさっきから姿見ないね」

洗濯物を運んでいるエマとギルダの声が聞こえた。


「……ギルダは潔白(シロ)」

昨夜あった、ギルダがシスターの部屋に行って誘いを断ったのことをエマから聞き、ノーマンはそう呟く。

そしてふと、ある疑問をレイにぶつけた。

「ねぇレイ…内通者はなぜ内通するんだろう…」

「そりゃ、そうするメリットがあるからじゃね？例えば出荷を逃れて大人になれる…とか…」

その言葉にハッとするノーマン。

「命の保証…か」

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