三人の騎士と三人の悪魔 ページ27
カラ松を慰めていると
「教室…行く？」
と一松が発した。
私は正直、あまり戻りたくなかった。
どうせ、また机や荷物はひどい有様だろうし、誰も私が戻ってくることを望んでないだろう。
でも、今はこの三人がいると考えると、戻ってもいいかなと思った。
「うん。戻ろう」
図書室から出た私達は教室に向かった。
廊下で一松がこっそり手をつないでくれた。
「守るから…大丈夫」
「うん…ありがとう…！」
私はその言葉を信じることにした。
繋いでくれた一松の手は凄く暖かくて、落ち着ける。
人の性格は体温に出るってほんとなんだね。
「…着いたぞ…」
あっという間に着いてしまった教室。
たしかこの時間は自習だったはず。
廊下でも騒がしい声が聞こえる。
この扉を開けた瞬間、視線は一気に私たちの方へ向くのだろう。
そう思うと、少し身震いする。
「入っていいか…？」
「うん…」
ｶﾞﾗｶﾞﾗ…
引き音が鳴った瞬間、視線はこっちに集まった。
「あれーカラ松ー。お前まで頭、狂っちゃった？」
「カラ松兄さんまでそのクズ女に騙されたの？」
「俺は間違っていたようだ。あと、Aはクズじゃない。十分、綺麗で華麗な女だ。」
「クソ松のくせにいい事言うじゃん…」
「カラ松兄さんかっけーーー！！！」
私が目を伏せていると、一松がさらに強く手を握ってくれた。
不覚にもときめいてしまった。
「おい、クズ女。あんまり俺たちの前で調子のんなよ」
「のってない」
「はっ…口答えかよ。ほんっと“死ねよ”」
「“目障り”だよねぇ」
「“汚い”なぁ。近づく度に空気が汚れる」
『お前なんていなくなれ』
私に送られたとっても“素敵”な言葉達
おかげで私の使命が分かったよ
私は一松の手を離して、おそ松に近づいた。
ギリギリまで近づき、私はおそ松にハグをした。
「なっ！！お前…離せっ…」
「ありがとう、おそ松。おそ松の兄弟愛は凄く尊敬できたよ。」
チョロ松にハグをした。
「ありがとう、チョロ松。チョロ松のおかげで成績が伸びたよ。」
トド松にハグをした。
「ありがとう、トド松。トド松のおかげで少しは女の子らしくなったかな？」
もちろんカラ松、一松、十四松は驚いた顔をしていた。
「ふっざけんな！！何で僕に抱きつくの！？やめてよ！」
私はトド松の言葉を無視して、窓に向かって歩いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 93人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きゃらめる - 楽しかったし感動しました！死ななくてよかった！ (2017年7月18日 18時) (
レス) id: ef3996e9aa (このIDを非表示/違反報告)
神野 赤月 - ぅぅぅぅぅぅ！し、死ななくてよかったー！ヽ(；▽；)ノ (2017年7月16日 20時) (レス) id: 1f93e928e5 (このIDを非表示/違反報告)
こと松(プロフ) - 名前さん» 見てくださっただけで感謝です！意味不明な部分やつまらなかった事は本当に申し訳ありません。もっと修行して、名前さんに楽しんでもらえる作品を作りたいと思います！ (2016年9月5日 21時) (レス) id: 9f44f3b0b4 (このIDを非表示/違反報告)
こと松(プロフ) - のり巻きご飯さん» お祝いコメントありがとうございます！アンケート、了解しました！ (2016年9月5日 20時) (レス) id: 9f44f3b0b4 (このIDを非表示/違反報告)
のり巻きご飯(プロフ) - 完結おめでとうです♪1でお願いします^^ (2016年9月5日 20時) (レス) id: 8bfa91c907 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こと松 | 作成日時：2016年7月2日 10時
