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参拾玖話 ページ41

中也が外套を脱いで私に向かって来る。


連続で拳が向かって来るが、軽々と躱した。


向けられた右手を掴み、鳩尾を殴る。


「………なんだ其の打拳(パンチ)


彼が口角を上げたかと思うと、足蹴りを食らう。


私は抵抗出来ず、壁へと吹っ飛ばされた。


按摩(マッサージ)にもなりゃしねぇ。手前の格闘術はマフィアでも中堅以下だ。異能無効化は厄介だが……此の状況なら異能を使うまでもねぇ。立てよ。招宴(パーティ)は始まったばかりだぜ」


「……流石はマフィアきっての体術使い」


少しだけ、口角を上げると両脚を揃えて立ち上がる。


こき、と腕の関節を鳴らしながら余裕の笑みを見せた。


防御(ガード)した腕がもげるかと思ったよ」


中也は私を見て、訝しげな顔をする。


「君とは長い付き合いだ。手筋も間合いも動きの癖も完全に把握してる。でなきゃ相棒は務まらない、だろ?」


私の言葉に青筋を立てる中也。


そして音もなく、一瞬で私の目の前まで迫って来た。


「だったら、此の攻撃も読まれてんだろう。なァ!」


予想外過ぎて、反応が遅れてしまい左頬に拳が当たる。


「打拳ってのはなあ!こうやって打つんだよ!」


防御が出来ないまま、中也の打拳は鳩尾へ当たった。


吐血した私の首を掴み、壁へ打ち付ける彼。


「動きが読める程度で勝てる相手と思ったか?」


「ぐっ…」


「終いだ」


何処からか取り出した短刀(ナイフ)の切っ先を喉元に向けられた。


「……最後に教えろ。態と捕まったのは何故だ。獄舎(此処)で何を待っていた」


_______何を、だなんて簡単じゃないか。


「だんまりか、いいさ。拷問の楽しみが増えるだけだ」


中也が、喉元の短刀をより一層近くに寄せる。


「一番は、敦君についてだ」


「敦?」


聞き慣れていない名前を口に出され、不思議そうにする目の前の彼。


「君達がご執心の人虎さ。彼の為に70億の賞典を掛けた御大尽が誰なのか、知りたくてね」


「身を危険に晒してまで?泣かせる話じゃねぇか。……と、云いたいが其の結果が此の(ざま)じゃあな。麒麟も老いぬれば駑馬にも劣るってか?『歴代最年少幹部』さんよ。ま、運にも見放されたしな。何せ、俺が西方の小競り合いを鎮して半年ぶりに帰った其の日に捕縛されてるんだからな。俺からしたら幸運だぜ」


またちらり、階段の上を見た。


くつり、喉を鳴らして笑ってやる。

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匿名part2 - 浅間ってなんかハーフみたいで変 (2018年2月28日 21時) (レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)
赤影真未(プロフ) - 面白かったです!すぐに続編読みますね! (2017年10月19日 2時) (レス) id: 7f3c790d7e (このIDを非表示/違反報告)
夕月(プロフ) - 匿名さん» 申し訳ありません。まだその様なシーンを出していない為、忘れておりました。速攻で出しますのでご了承ください (2017年5月21日 19時) (レス) id: 5f9b98437e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - これは同性愛ですよね?BLフラグを立てて下さい。違反の対象となります。 (2017年5月21日 19時) (レス) id: 8d53b1880e (このIDを非表示/違反報告)
マロンクリーム - 面白いです!楽しみに待ってます(`・ω・´)頑張ってください! (2017年5月20日 5時) (レス) id: 9f03df5593 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作成日時:2017年1月9日 23時

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