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参拾話 ページ32

警察官に太宰を降ろしてもらい、敦が仕事内容を説明しているのを横目に見ながら乱歩さんの所へ戻る。


太宰は亡くなられた女性の前に座った。


「何と、かくの如き佳麗なるご婦人が若き命を散らすとは…!何という悲劇!悲嘆で胸が破れそうだよ!どうせなら、私と心中してくれれば良かったのに!」


「……誰なんだ、彼奴は」


「同僚である僕にも謎だね」


『まず同僚って信じたくねぇ…』


「しかし、安心したまえご婦人。稀代の名探偵が必ずや、君の無念を晴らすだろう!ねぇ、乱歩さん!」


太宰が乱歩さんの方を向くが、彼は困ったように溜息をはく。


「ところが、僕は未だ依頼を受けていないのだ。名探偵いないねぇ、困ったなぁ」


乱歩さんは警察官の一人を見た途端、にやりと笑った。


「君、名前は?」


「え?じ、自分は杉本巡査であります。殺,された山際女史の後輩であります」


彼は杉本巡査の肩に手を置く。


「よし杉本君。今から君が探偵だ!60秒で此の事件を解決させなさい!」


「へぇッ!?へっ、あ、えー!?いくらなんでも60秒は」


「はいあと50秒」


何と云う無茶振り…。


「そ_______そうだ、山際先輩は政治家の汚職疑惑。其れにマフィアの活動を追っていました!」


マフィアと云う単語に敦と太宰が反応した。


「そう云えば!マフィアの報復の手口に似た殺し方があった筈です!もしかすると、先輩は捜査で対立したマフィアに殺され…」


「違うよ」


「え?」


杉本巡査の言葉を、太宰が遮る。


「マフィアの報復の手口は身分証と同じだ。細部が身分を証明する。マフィアの手口は、まず裏 切り者に敷石を噛ませて、後頭部を蹴り付け顎を破壊。激痛に悶える犠牲者をひっくり返して、胸に三発」


「うえっ」


「確かに、正解はそうですが…」


『……やけに詳しんだな、お前』


太宰の方を見るが、視線を逸らされた。


「此の手口。マフィアに似ているが、マフィアじゃない。つまり」


『犯人の偽装工作』


「そんな……偽装の為だけに、遺骸に二発も撃つなんて_______非道い」


「ぶー!」


乱歩さんが大きな声を出した為、杉本巡査は肩を揺らした。


「はい、時間切れー。駄目だねぇ、君。名探偵の才能ないよ!」


けらけら笑いながら彼の肩を叩く乱歩さん。


「あのなぁ貴様!先刻から聞いていればやれ推理だ、やれ名探偵だなどと通俗小説の読み過ぎだ!事件の解明は即ち、地道な捜査。聞き込み、現場検証だろうが!」


「はぁ?」

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匿名part2 - 浅間ってなんかハーフみたいで変 (2018年2月28日 21時) (レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)
赤影真未(プロフ) - 面白かったです!すぐに続編読みますね! (2017年10月19日 2時) (レス) id: 7f3c790d7e (このIDを非表示/違反報告)
夕月(プロフ) - 匿名さん» 申し訳ありません。まだその様なシーンを出していない為、忘れておりました。速攻で出しますのでご了承ください (2017年5月21日 19時) (レス) id: 5f9b98437e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - これは同性愛ですよね?BLフラグを立てて下さい。違反の対象となります。 (2017年5月21日 19時) (レス) id: 8d53b1880e (このIDを非表示/違反報告)
マロンクリーム - 面白いです!楽しみに待ってます(`・ω・´)頑張ってください! (2017年5月20日 5時) (レス) id: 9f03df5593 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作成日時:2017年1月9日 23時

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