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第9話 ページ10

敬人「…月花、といったな?」


職員室を離れて校舎を2人で歩いていると蓮巳先輩がそう話しかけてきた


『はい』

敬人「なぜ俺達をプロデュースすると決めたんだ」

『え』

敬人「なにか理由があったんだろう?聞かせろ」



おみくんに似てるから、だなんてくだらない理由を言うと怒られてしまうような気がして、資料に書いてあったことを思い出し適当に理由を作った



『伝統芸能を重んじるって書いてあったのでやりやすいかな…と』

敬人「やりやすい?」

『あ、えと、実は私の実家が神社で、伝統芸能みたいなのを小さい頃から習ってたんです。だからその時に学んだものを活かせれたらなと』



これもあながち嘘ではない

実際に私は神社の出だし、剣道や弓道、その他にも色々してきた

それを今活かさずにいつ活かす




敬人「まさかとは思うが…弓道をやってたりはしていないか?」

『やめてから結構経ちますが、習ってはいました』



私がそう言うと、蓮巳先輩は目を輝かせた



敬人「貴様、弓道部に入らないか?」

『へ?』

敬人「最近部員が少なくて困っていたんだ。ちょうどよかった。入れ」



え、その言い方もう決定事項じゃん



『弓道部、ですか?』

敬人「あぁ。俺が部長をしているのだが…どうだ?」

『大丈夫ですけど…』

敬人「そうか!では早速弓道場へ行こう!」

『は?』

敬人「今日は朝練があるんだ。部員がいるはずだから伝えに行く」




え、え、まってまって

いきなり大人数のところに行くの!?



敬人「行くぞ!転校生!」





手を掴まれ引っ張られながら弓道場への道を歩き出した


助けておみくーん!!!


私の悲痛な叫びは誰にも伝わらずに消えた

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作者名:イチノセ | 作成日時:2020年3月3日 22時

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