第1話 ページ2
暗い部屋の中にぼんやりと光るパソコンの画面
点滅を繰り返すカーソルに目をやり、何を書こうと思っていたのかを思い出そうとする
『……なんだっけ』
確か曲を思いついたんだ
何ヶ月かぶりに
せっかく思いついたのに勿体ないなと思うが、もう思い出す気もない
もういいやとベッドに身を投げ出そうとした時だった
プルルルル.プルルルル
枕元に置いてあったスマートフォンがなった
手を伸ばし画面を見ると、そこにはしばらく会っていなかった少し懐かしいと思うほどの相手の名前が表示されていた
椚章臣
『え!?』
これまた久方ぶりの大声を出し、自分で驚く
急いで電話に出た
『も、もしもし』
章臣〚もしもし。お久しぶりです。〛
『久しぶり!!!』
そう応えると、電話の向こう側でくすくすと笑う声が聞こえてきた
章臣〚そんなに大きな声を出さなくてもわかりますよ。元気で何よりです〛
『とても元気』
章臣〚よかったです。それはさておき、今から会えますか?〛
『え、会えるけど…』
章臣〚じゃあ今からそっちに向かいます。ちょっと話したいことがあるので。多分30分もあれば着くと思うので待っててください〛
『はい!』
章臣〚ではまた。〛
プツリと切れたスマホを放り投げ、慌しく部屋の掃除を始める
といっても物自体が最小限しかないから掃除のしようがないのだが
しかしあと30分もあるのか、とソワソワしてしまう
なにせ数ヶ月ぶりに会う幼馴染なのだ
楽しみでしかない
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作者名:イチノセ | 作成日時:2020年3月3日 22時