【男主】もう一人の劣等生

１５　入学式 ページ17

達「委員長、此処
片づけてもいいですか？」


『俺も片付けしたいです
それに、達也は魔攻技師志望なんで
こう言うのは見逃せない性格かと…』


摩「魔攻技師？
あれだけの対人戦闘スキルがあるのに」


達「俺の才能じゃどう足掻いても
Ｃ級までのライセンスしか取れませんから」


同じ性質や形別に
機材を分けて整理し
粗方片付いてきた


摩「君達をスカウトした理由は
そう言えばほとんど説明してしまったな」


達「覚えていますが二科生対策の方は
むしろ逆効果ではないかと」


『俺も同意です。二科生の上級生は
同じ立場の筈の下級生に
取り締まられる事になれば
不満を抱く人もいると思います。』


摩「だが、同じ一年生は
歓迎すると思うがね」


達「一科生の方には歓迎に倍する
反感があると思いますがね」


摩「反感はあるだろうさ
だが入学したばかりの今なら
それ程差別思想に毒されて
いないんじゃないか？」


やんわりと断りを入れようと頑張るも
渡辺先輩の言っていることも
理解でき断るに断り切れなくなる


達「どうでしょう昨日はいきなり
【お前を認めないぞ】宣言を
投げつけられましたし…」


『そんな事になってたのか』


屋上から見ていた風景が
フラッシュバックする


達「ああ」


摩「森崎の事か、うちに
入ることになっているぞ」


達「え」『え』


二人して一瞬手が止まる
一緒の空間に居て
彼は良いのだろうか


摩「君でも慌てる事があるだな」


達「それは、そうですよ」


整理整頓が終われば丁度
扉が開き中に二人の風紀委員
男子生徒が入室してきた


辰「姉さん、いらしてたんですかい」


沢「委員長、本日の巡回
終了しました！逮捕者ありません」


―――バシッ！！バシバシ


摩「姉さんって呼ぶな！」


渡辺先輩が一人を
丸めたノートで叩いている
風紀委員同士仲がいいのだろう


辰「所で委員長、そいつらは
新入りですかい？」


ちらりと此方に視線を向けられる
目線の先は肩の紋章の所に


摩「一年Ｅ組、司波達也と司波A
生徒会枠でウチに入る事になった」


辰「へえ、紋なしですかい」


沢「辰巳先輩、その表現は
禁止用語に抵触する恐れがあります
この場合二科生と言うべきかと…」


不穏な空気が流れる


摩「お前達、そんな単純な
了見だと足元を救われるぞ？

此処だけの話だがさっき
服部が足元を救われたばかりだ」


渡辺先輩の発言に
顔色を変える二人

副会長は強いみたいで
負けなしだったらしい…

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