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にじゅうろく ページ27

Aside




涼しい風が私の頬をそっと撫でた感触で目を覚ました。
重たい瞼を持ち上げると嫌というほど明るい蛍光灯の光が入ってきて、反射的に目を瞑った。

どうやら保健室のベッドにいるようだ。





『んん……』





そのまま寝返りを打つと温かい何かに当たり、飛び起きた。






『うわあっ!!』
「えっ!?」






思っていたよりも大きい声が出てしまった。その声に反応したのか隣から声がした。






『いたっ……』






が、いきなり体を起こしたせいか頭がズキズキと痛んだ。
痛みに耐えられずに倒れると先程の声が降ってきた。





「大丈夫!?」
『あ、大丈夫です、お騒がせしてすみませ_____え?』





顔を上げながら言うとそこには、





「A、」





そう私を呼ぶのは彼くらいしかいない。




『せ、センラ先輩……』





私の声にニコニコと笑った。
久しぶりに近くで見た彼の姿はきっぱり言って一切変わっていなかった。

それに安心した気持ちを抱いたことには触れないでおこう。






「大丈夫?体とか痛いとこあらへん?」
『へ、あ……はい』





何事も無かったように振る舞う彼に戸惑ってしまう。





『あの…先輩?』
「ん、何や」





先輩から目を離しながら尋ねた。






『私をここまで運んでくださったのって、』
「うん、俺」





素っ気ない、でも何処か優しい言葉に息を呑んだ。





『あ、ありがとうございました、すみません』




ペコリと頭を下げる。少し頭痛が引いたような気がした。





「ごめんな、A」
『え?』





目を伏せながら先輩は申し訳なさそうに言った。






「俺が悪かったんや。Aのこと全然考えてなくて、」






その言葉を聞いて焦って私も口を開いた。





『違います、先輩!!』

にじゅうなな→←にじゅうご



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彩雲 朱瑠璃 - 読みました!すごかったです!文才が!とっっってもキュンキュンしました!最後の縦読みがすごかったです!感動しました! (2022年1月8日 17時) (レス) id: b1698b1cbf (このIDを非表示/違反報告)
CIEL☆(プロフ) - 大崎 奏葉さん» 伝わったよ大丈夫!!◎ 推しは尊いものです!!! (2020年3月9日 19時) (レス) id: 6daf1523f9 (このIDを非表示/違反報告)
大崎 奏葉(プロフ) - CIEL☆さん» とにかくキュンキュンしたって言いたかったの! てか、推しが尊い← (2020年3月9日 19時) (レス) id: 289cb6b285 (このIDを非表示/違反報告)
CIEL☆(プロフ) - 大崎 奏葉さん» かなはちゃんありがと!! 縦読みあたし好きなんよ……!! 楽しいから使ってみて〜!! キュンキュンの……キュン言いすぎて何か分かんない 笑笑 (2020年3月9日 19時) (レス) id: 6daf1523f9 (このIDを非表示/違反報告)
大崎 奏葉(プロフ) - 文才あるわ……縦読み、今度使ってみようかな! あと、キュンキュンのキュンのキュンしたよ!←え (2020年3月9日 19時) (レス) id: 289cb6b285 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:CIEL☆ | 作成日時:2019年3月28日 17時

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