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にじゅうなな ページ28

Aside




『違うんです。実はこれ、全部私が仕組んだんです……』




数秒二人の間に沈黙が流れた。




「は……?」
『私、虐 められてなんかないんですよ』





気まずい雰囲気に目を伏せながら言う。
でも言っただけ偉いって思っておこう。





「じゃ、じゃあ……Aが虐 められてたっていうのは、」
『あ、演技です。演じてました、はい』




呆気に取られた先輩の顔はすごく間抜けで、笑ってしまった。
まああの屋上でのことは演技だとは思えなかったかもね。結構本気でやってたし。





「俺、今まで騙されてたってこと?」
『まあそういうことになりますね』





チッという先輩の舌打ちを初めて聞いた。それに一瞬ビビった。





『ごめんなさい。だから今回の件は全部私が悪いです。先輩は謝らないで下さい』





ね?と顔を除きこむとペシッと頬を叩かれた。普通に痛かった。





『痛っ』
「ほんま最低やな、お前」





え、と本気トーンで言う先輩に驚く。怒らせてしまったと今更ながら思う。






『ごめんなさい、…………へ、?』
「ばーか、俺が怒ると思った?」






ニヤニヤしながら私の頬を両手で挟む先輩を睨む。






「ええよ、許すから。その代わり、何でこんなことしたか、みっちり事情聴衆しますからねー」
『………やです』



「口答え禁止ね、Aちゃん?」




わざとらしく“ちゃん”付けして、もう先輩なんか知らないから。
そう思いながらも先輩にはちゃんと話した。


人気者の先輩が私といて嫌な思いをさせたくない、と言ったら物凄く怒られてしまった。
それも一つの思い出としようか。

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彩雲 朱瑠璃 - 読みました!すごかったです!文才が!とっっってもキュンキュンしました!最後の縦読みがすごかったです!感動しました! (2022年1月8日 17時) (レス) id: b1698b1cbf (このIDを非表示/違反報告)
CIEL☆(プロフ) - 大崎 奏葉さん» 伝わったよ大丈夫!!◎ 推しは尊いものです!!! (2020年3月9日 19時) (レス) id: 6daf1523f9 (このIDを非表示/違反報告)
大崎 奏葉(プロフ) - CIEL☆さん» とにかくキュンキュンしたって言いたかったの! てか、推しが尊い← (2020年3月9日 19時) (レス) id: 289cb6b285 (このIDを非表示/違反報告)
CIEL☆(プロフ) - 大崎 奏葉さん» かなはちゃんありがと!! 縦読みあたし好きなんよ……!! 楽しいから使ってみて〜!! キュンキュンの……キュン言いすぎて何か分かんない 笑笑 (2020年3月9日 19時) (レス) id: 6daf1523f9 (このIDを非表示/違反報告)
大崎 奏葉(プロフ) - 文才あるわ……縦読み、今度使ってみようかな! あと、キュンキュンのキュンのキュンしたよ!←え (2020年3月9日 19時) (レス) id: 289cb6b285 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:CIEL☆ | 作成日時:2019年3月28日 17時

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