元布団少女は高校生活を謳歌する。５【黒子のバスケ】

百九十三枚目 ページ6

Aside


「あれだけ布団を被ることに執着していたのに、どうして…」

「…ちょっとした機会があったんだよ」



何があったか知らない黒子からしたらそりゃ驚く。
最初から最後まで言ったら、その、黄瀬の事とかも言わなくちゃいけないから言うつもりはないけど。

あぁ、でもよかった。
黒子の顔、ちゃんと見るの初めてな気がするだけど、元気そう。

最後に見た黒子の顔は全中の時の絶望した顔だった、けれど今はどこかすっきりしているような。



「黒子はさ、入るんでしょ？バスケ部」

「はい、入ります」



わかってはいたけれどほっとする。

やっぱり黒子はバスケをしてなくちゃ。
あれだけ頑張っていたんだ。大好きなんだ。
もったいない。



「そして」

「？」

「ボクのバスケで、キセキの世代(彼ら)に勝ちます」

「！！」



あぁ、なんだ黒子。

私が思っている何倍も、何十倍も強かったんだ。

私は目を伏せ、そっか、と頷く。



「私、黒子のバスケ好きだよ」

「…ありがとうございます。 山梨さんは、マネージャーしないんですか？」

「するよ。黒子が、アイツらをボコボコにするとこ近くで見たいし」



にしっ、と笑うと黒子も少し笑った気がした。



「…山梨さんの表情、マスク越しにでもよくわかって嬉しいです」

「よせやい」



じっと見つめてくる黒子の目に耐えられずばっと顔隠す。


…私も、嬉しいよ。

同じ景色を見えるのが。


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