二百十二枚目 ページ25
Aside
「あ、そうだAっち!」
「っは、なに?」
男二人熱い雰囲気が流れていたはずだが、いきなりぱっと顔をいつもの駄犬のような顔にして私の名前を呼ぶもんだからビックリする。
ひょこりと火神の背から顔をのぞかせると、ニコニコ笑顔の黄瀬が両手を合わせお願いポーズをとっていたので、首を傾げる。
「『黄瀬頑張れ♡』って言っ」
「わない」
「ヒドイ!!」
えーん、と泣き真似する黄瀬をどつき、また変な雰囲気になりそうなので派手に咳払いする。
ほんとにやめて欲しい、ほんとに。
てか私にわざわざ敵を応援するギリなんてないっつの。
「うぅ…あ、ここっス」
「って…え?…片面でやるの?」
泣き真似をまだ続ける黄瀬に案内され、本日試合をする体育館に着いたのはいいが、用意されていた試合コートは体育館の半面だけだった。
まあ、ナメてんだろうなぁという事は一目で分かったわけですが。
向こうの監督も練習の片手間に誠凛との練習試合〜みたいなことを言ってくるもんだから、リコさんは今にでも怒りを爆発させそうで…。
しかも、黄瀬は出さないつもりなんだって。
「大丈夫、ベンチには俺入ってるから!あの人ぎゃふんと言わせてくれれば出してもらえるし!ワガママ言ってもいいスけど…。
オレを引きずりだすこともできないようじゃ『
まあ、それは確かに。
ここで黄瀬を引きずり出すことすら出来なかったら日本一なんて…遠いよな。
「アップはしといてください。出番待つとかないんで…」
「スミマセン調整とかそーゆーのはちょっとムリかと…」
「なんだと…?」
「そんなヨユーはすぐなくなると思いますよ」
監督と黒子の言葉にふっと鼻で笑い、案内された更衣室へ向かう。
そして着替えを終えた選手たちの後を追い、ノートとペンを持った私は監督が座るベンチの隣に腰を下ろした。
「それではこれから、誠凛高校対海常高校の練習試合を始めます」
ずらと並ぶ相手側の選手を見るにやはりどの人も強い面々だ。
それと比べてしまったらなんだが、黒子はやはり影が薄いため存在感はない。まあ彼はそれが強みだし。
そしてきっと相手はそんな黒子に油断している。
「っし、んじゃまず一本!きっちり行くぞ!」
ジャンプボールは海常の4番…笠松さんの手に渡ったが、すぐに黒子がはじき、味方にボールがわたる。
その後、ボールは火神に渡り、勢いよくダンクをきめ、ゴールシュートは破壊された。
……やりやがったな。
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しゅる(プロフ) - はぁぁぁ!!!テツくんも主ちゃんの応援にはニヤついちゃうよねぇぇ!!もしや主ちゃんってキセキ+αにモテる…? (4月12日 0時) (レス) @page28 id: 9269892d89 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - しゅるさん» もしかしてキセリョの幼馴染みを見てくれていた方ですかね!? こちらの作品も見て下さりありがとうございます〜!絵も文も全く成長してないんですけど、そう言ってくれると嬉しいです…笑 ぼちぼち更新していきまーす!! (10月17日 1時) (レス) id: 3d31480182 (このIDを非表示/違反報告)
しゅる(プロフ) - こたきんぐさん!!!お久しぶりです!!今更ながら見ました!!(遅い)やっぱり最高ですね!!!そして絵がうますぎる!!いろいろニヤニヤしながら見てます!((( (10月14日 13時) (レス) @page21 id: 9269892d89 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 天使長さん» 嬉しいお言葉ばかり…!ありがとうございます!自分のペースになりますが頑張っていきたいと思います! (8月21日 20時) (レス) id: 3d31480182 (このIDを非表示/違反報告)
天使長(プロフ) - シリーズ1作品目から愛読してます!号泣したり、爆笑したり、とにかく文才が素晴らしいなぁと思ってます!あと絵も神レベルで尊敬しかないです!無理せず更新頑張ってください!待ってます! (8月19日 9時) (レス) @page4 id: a49e61df0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2023年8月6日 12時