二百三枚目 ページ16
Aside
正式にバスケ部へ入部した後も、私はマネージャーがするべきことを日々せっせとこなしていた。
中学に比べ部員も少なく、少々楽だと感じたこともあったが、中学と違ってマネも一人だけなので、そこまで仕事量は変わらないのかもしれないとも思った。
段々ここでのやり方にも慣れてきて、本日もマネ業務を始めようかと更衣室で学校指定のジャージに着替えていると、部屋に誰かが入ってきた。
「いたいた、ごめんねーAちゃん。私今から練習試合の申し込みしてくるから、ちょっと遅れて行くねー」
「了解でーす」
それだけ言って更衣室から出て行ったリコさんを見送りながら私は着替えを終える。
呼び方については、ここ数日前彼女が言い始めたのだ。
かたっ苦しいし、女同士距離を縮めよう!と言うので私はリコさんと呼び、リコさんは私のことをAちゃんと呼ぶことに。
文句なんて勿論一切ない。
逆に、年上の女性に下の名前で呼ばれることなんて滅多になかったから、ちょっと嬉し…こそばゆい感情がだな。
それにしても、どこに練習試合を申し込むつもりなんだろう。
きっと突発的に思いついたことなんだと思う。
前から予定していたのなら、他の先輩らやマネの私にも言ってくれるだろうし…。
少しの疑問を胸にしながらボールを磨いていると、鼻歌を歌いスキップしながらリコさんは帰ってきた。
すっごく上機嫌なことが見て分かり、それと同時にほんのちょっとだけ…嫌な予感がした。
「ただいまー!!ゴメンすぐ着替えてくるね。
あと…
『キセキの世代』がいるトコと試合…組んじゃったっ…」
「「!?」」
ひょっこりと扉から顔をのぞかせ、語尾にハートをつけながら笑顔でそう言うリコさん。
また鼻歌を歌って姿を消す彼女に、皆驚いて声が出ていない。
私も例外ではなく、拭いていたボールが手から滑り落ち、ドム…ドム…と鈍く弾み転がっていくのを気にせずただ、えぇ…?と情けない声が漏れた。
その後リコさんにどこと組んだんですか?と尋ねたが、まだちょっと固まってないから明日話すね!とニヤニヤ顔で流されてしまった。
どれだけキセキの世代と練習試合出来るのが嬉しいんだ…。
確かにいい練習にはなる、とは思うけど。
けれど私からしたら、彼らのうち一人誰にあっても気まずい気しかしなくって。
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しゅる(プロフ) - はぁぁぁ!!!テツくんも主ちゃんの応援にはニヤついちゃうよねぇぇ!!もしや主ちゃんってキセキ+αにモテる…? (4月12日 0時) (レス) @page28 id: 9269892d89 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - しゅるさん» もしかしてキセリョの幼馴染みを見てくれていた方ですかね!? こちらの作品も見て下さりありがとうございます〜!絵も文も全く成長してないんですけど、そう言ってくれると嬉しいです…笑 ぼちぼち更新していきまーす!! (10月17日 1時) (レス) id: 3d31480182 (このIDを非表示/違反報告)
しゅる(プロフ) - こたきんぐさん!!!お久しぶりです!!今更ながら見ました!!(遅い)やっぱり最高ですね!!!そして絵がうますぎる!!いろいろニヤニヤしながら見てます!((( (10月14日 13時) (レス) @page21 id: 9269892d89 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 天使長さん» 嬉しいお言葉ばかり…!ありがとうございます!自分のペースになりますが頑張っていきたいと思います! (8月21日 20時) (レス) id: 3d31480182 (このIDを非表示/違反報告)
天使長(プロフ) - シリーズ1作品目から愛読してます!号泣したり、爆笑したり、とにかく文才が素晴らしいなぁと思ってます!あと絵も神レベルで尊敬しかないです!無理せず更新頑張ってください!待ってます! (8月19日 9時) (レス) @page4 id: a49e61df0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2023年8月6日 12時