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二百二枚目 ページ15

Aside


火神は屋上の柵へ軽々しくのっかり、大きく息を吸って、叫ぶ。



「1-B、5番!火神大我!!『キセキの世代』を倒して日本一になる!」



ここまで声が聞こえるほど、下にいる生徒たちがざわめきどよめいたのがわかった。

火神は満足気に上っていた柵から降り、ふんと鼻を鳴らす。


キセキの世代を倒して日本一、ね。

それはもう、やってもらおうじゃないの。

支えることしかできない身だけれど、見たいよその景色。


火神の後に続き、黒子が拡声器を使って叫ぼうとしたがタイミング悪く先生が来てしまった。



「コラー!!またかバスケ部!!」

「あら今年は早い!?」

「去年あれほど言ったのにまだッ、そこに全員正座しなさい!!」



ぴしゃりと怒られ、大人しくその場にいる私を含めた全員が正座し、大人しく説教される。

目の前にいる教師は、一度私の顔を見てなんとも言えない顔をしてなにか葛藤するような表情をした後、何もなかったかのように続けてお怒りの言葉を吐いていた。

…わかってはいたけれど、やっぱりこの学校もおばあ様の息がかかってるんだ。
変に特別扱いしないように、くらいは言ってるだろうけど。

こんな大声で怒られるなんて、有井先生以外には初めてかもなぁなんて呑気に思っていればお説教タイムは終わり、朝礼もそのころには終わっており、教室に戻るとクラスメイト達から私達三人はまあ視線を集める。

仲良く…なったと思う三人の女の子達に大丈夫だった?と心配の声を頂いたので、うん、と頷いておいた。



私の入部届はその日のうちにちゃんと相田先輩に受け取ってもらい、無事正式に誠凛高校バスケ部マネージャーとなった。

黒子はどうなったかというと、次の日の朝、グラウンドいっぱいを使い『日本一にします』というメッセージを残し無事入部。

しかし名前を書き忘れてしまったので、いったい誰が書いたのか、どういう意味なのか、と生徒の間で噂になり、なんと誠凛高校の七不思議のひとつになったらしい。



「しまった…」

「んふっ、中学の頃は第三体育館に出る幽霊とか言われてたけど、高校では七不思議か」



珍しく焦る黒子をぷくくと笑えばじとりとした目が返ってきた。

そんな目で私を見ながら、不服そうな声で黒子は言う。



「笑ってますけど、山梨さんだって中学の時七不思議のひとつだったじゃないですか」

「……そーだけど」



まぁ、さ?

私たち、七不思議仲間ってことでこの話は終わりにしようか。

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しゅる(プロフ) - はぁぁぁ!!!テツくんも主ちゃんの応援にはニヤついちゃうよねぇぇ!!もしや主ちゃんってキセキ+αにモテる…? (4月12日 0時) (レス) @page28 id: 9269892d89 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - しゅるさん» もしかしてキセリョの幼馴染みを見てくれていた方ですかね!? こちらの作品も見て下さりありがとうございます〜!絵も文も全く成長してないんですけど、そう言ってくれると嬉しいです…笑 ぼちぼち更新していきまーす!! (10月17日 1時) (レス) id: 3d31480182 (このIDを非表示/違反報告)
しゅる(プロフ) - こたきんぐさん!!!お久しぶりです!!今更ながら見ました!!(遅い)やっぱり最高ですね!!!そして絵がうますぎる!!いろいろニヤニヤしながら見てます!((( (10月14日 13時) (レス) @page21 id: 9269892d89 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 天使長さん» 嬉しいお言葉ばかり…!ありがとうございます!自分のペースになりますが頑張っていきたいと思います! (8月21日 20時) (レス) id: 3d31480182 (このIDを非表示/違反報告)
天使長(プロフ) - シリーズ1作品目から愛読してます!号泣したり、爆笑したり、とにかく文才が素晴らしいなぁと思ってます!あと絵も神レベルで尊敬しかないです!無理せず更新頑張ってください!待ってます! (8月19日 9時) (レス) @page4 id: a49e61df0e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/  
作成日時:2023年8月6日 12時

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