二百一枚目 ページ14
Aside
「知らない。気になるんだったら本人に直接聞いたらいいじゃん」
「まぁそうだけどよ」
案外あっさりと引いた火神を見上げれば目が合う。
向こうからしたら、私のメガネのレンズが分厚くてちゃんと目が合ってるとはわからないかもだけど。
しばらく何故かこちらをずっと見てきて、何か言いたげな顔をしてくるもんだから我慢できずに何?と聞いた。
「いやー…前見えてんのかなって」
「問題なく見えてる。視界悪いのは慣れてるし」
「ふーん、昔から目悪いんだな」
「…まぁそういうこと」
視力は別に悪いわけじゃないんだけどね。
詳しく説明する気はないので、とりあえずそういうことにしておく。
そんなどうでもいい話をしながら足を進めれば、あっという間に目的地である屋上へ着いた。
扉を開ければ私達以外のメンバーがすでに揃っているようで、その中へ混ざればフェンスを背に腕を組んで仁王立ちをする相田先輩が見えた。
彼女はふっふっふ、と笑いまるで今から決闘が始まるノリである。
「つーか忘れてたけど…月曜って、あと五分で朝礼じゃねーか!」
えぇ、火神の言う通り、本日は全校生徒がグラウンドに集まる朝礼の日である。
きっと下を見れば生徒教師らが綺麗に整列しているんだろう。
別に私は忘れていたわけじゃないけど、きっとこの時間に呼び出した理由があるのだろうと思って黙っていた。
…あるんだよね?
ちらりと相田先輩を見ると、先輩は少し気まずそうな笑みを浮かべ、こちらへこそこそとやってきてはぼそりと呟いた。
「それにしても、山梨さんも来ちゃったのね…」
「?ダメでした?」
「いやっ違うの!…マネージャーの山梨さんは
途中から耳元でこしょこしょと話され、ハッと思い出す。
そういえば、言ってたな。入部届を貰った時に先輩は いつでも って言ってた。
特技は暗記です、なんてもう人前では言えない。
記憶力乏しい。
先輩はごほん、と一つ咳ばらいをして持ち直す。
そして言った、入部届を受け取る前に、と。
全国目指してガチでやること、具体的かつ高い目標とそれを達成する意思が欲しいと。
だから
さらにはそれが達成できなかったら同じくここから全裸で好きな子に告白だと。
「ヨユーじゃねーか。テストにもなんねー」
そう言って一番最初に動いたのは、火神だった。
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しゅる(プロフ) - はぁぁぁ!!!テツくんも主ちゃんの応援にはニヤついちゃうよねぇぇ!!もしや主ちゃんってキセキ+αにモテる…? (4月12日 0時) (レス) @page28 id: 9269892d89 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - しゅるさん» もしかしてキセリョの幼馴染みを見てくれていた方ですかね!? こちらの作品も見て下さりありがとうございます〜!絵も文も全く成長してないんですけど、そう言ってくれると嬉しいです…笑 ぼちぼち更新していきまーす!! (10月17日 1時) (レス) id: 3d31480182 (このIDを非表示/違反報告)
しゅる(プロフ) - こたきんぐさん!!!お久しぶりです!!今更ながら見ました!!(遅い)やっぱり最高ですね!!!そして絵がうますぎる!!いろいろニヤニヤしながら見てます!((( (10月14日 13時) (レス) @page21 id: 9269892d89 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 天使長さん» 嬉しいお言葉ばかり…!ありがとうございます!自分のペースになりますが頑張っていきたいと思います! (8月21日 20時) (レス) id: 3d31480182 (このIDを非表示/違反報告)
天使長(プロフ) - シリーズ1作品目から愛読してます!号泣したり、爆笑したり、とにかく文才が素晴らしいなぁと思ってます!あと絵も神レベルで尊敬しかないです!無理せず更新頑張ってください!待ってます! (8月19日 9時) (レス) @page4 id: a49e61df0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2023年8月6日 12時