２６９Q ページ32
Aside
言ってしまった、と気づきハッと口元を抑える。
俺は景虎さんに何を話してるんだ。こんな、俺の事情を話すつもりはなかった。
深く聞かれても笑って流そうとしてたのに。
「越えられない、ね」
はぁ、と息を吐く彼とまだ目は合わせられない。
「それで焦ってたっつーことか。確かに長崎蘭はなんでも器用にやるいけ好かねぇタイプの野郎だな」
「……」
「…なにも恥ずかしがることねぇだろ。人を越えたいなんて皆思ってることだ。ましてやテメェの兄貴だろ？あんな奴が近くにいてそう思うのは珍しくねぇ」
珍しくない、のだろうか。本当に。
こんなにドロドロしていて汚い、嫉妬が混じった気持ちが珍しくないのだろうか。
未だに顔を上げられず口元を手で強く押さえる。
「んで、俺が言いてぇのはだからって焦って自分の強みを消すようなバカはすんなってことだ」
「っ！」
バッと口元にあった腕を引かれ、反射的に顔を上げると鋭い目をした景虎さんと目が合う。
「お前の強みはなんだ？今までどうバスケしてきた、どうやって勝ってきた」
「……ぁ、」
「勝ちてぇなら、越えてぇなら…冷静さを失うな」
何も言わない俺にぴしゃりと答えを伝えてくる。
言われなくてもわかってるんだよ、焦ったら勝てないって。
冷静にならないと勝てるものも勝てないって。
けれど、なんでかな、体は思い通りに動いてくれなかったんだ。
「んむっ！？」
「その顔、納得してねぇな？」
次はいきなり両頬をガッと片手でつかまれ、…これ俺結構変な顔してるな。
というかこの人心読みすぎじゃない？今吉さんと張るよ…。
それとも俺がわかりやすい顔をしていたのか。
「あのなぁ、お前はまだケツの青い１５そこらのガキだ。焦るのも、藻掻くのも、あたりまえなんだよ。けど、それでもお前は冷静になれっつってんだ。
誠凛が勝つためにな」
誠凛が、勝つために、俺は
「体を見りゃわかる、努力した体だ。無駄にするんじゃねぇ。
他の試合の映像も少し見たが…ヤサ男君はパスをつなげるのが上手い、周りが見えているし、シュートも正確だ」
「…あぃがほうごじゃいまふ」
褒められてむず痒いが、それより掴まれた腕と頬が痛い。
景虎さんはそんな俺に気付いてあぁ、すまんと手を離してくれた。
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こたきんぐ(プロフ) - しゅるさん» だーすんごい嬉しい反応貰っちゃったへへ！！ありがとうございますっっこれからもたまに漂う幼馴染み臭を楽しんでもらえたらいいなって思います！ (2023年2月6日 19時) (
レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
しゅる - あばーー！！かっこよすぎるよ！主くん！！幼馴染みのきーちゃんと似たような感情で、似たような台詞で、似たような場面で！！幼馴染み最高！！やばすぎる…！ (2023年2月5日 19時) (レス) @page49 id: 29acc038ba (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - にゃん太さん» ですよね！？マジで永遠に畑耕して牛達の世話してます笑笑 わ〜ほんとですか！！貴重だ〜！！ありがとうございます、マイペースですが頑張ります！！ (2023年2月5日 9時) (レス) id: 3b9b192a4a (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - らぶさん» おお！？蘭推し嬉しいです！！蘭の心情もいずれ書こうと思ってますので…🤗ありがとうございます、頑張ります！ (2023年2月5日 8時) (レス) id: 3b9b192a4a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん太(プロフ) - 牧場物語が面白すぎるのまじでめっっちゃわかります！！！！実は初期の頃から読ませていただいていたりします。ず〜〜っと大好きな作品です！作者様のペースで頑張ってください！！！！ (2023年2月5日 6時) (レス) @page49 id: e8e9837ec5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こたきんぐ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時：2020年5月24日 10時
