八十四枚目 ページ38
Aside
「結局来てるし…」
がっくし…と項垂れるさつきちゃんの背をそっと撫でてみるも意味はないみたい。
黒子の紹介で来たゲームセンターは、ゲーム機をちょっと置きました、みたいな小規模のスペースだった。
「このゲームで高得点を出すと景品が貰えるんです」
黒子が指さした先にはダンシングゲームがあり、とある点数を出せばまいう棒のラー油トマト味が貰えるんだと。
最初紫原がやってみるもうまくいかず、次は黄瀬の番。
「やったことあんの？」
「はじめてっス。けどなんとかなるっスよ！」
と、いった黄瀬だがリズム感ゼロ、初心者にしても出来なさすぎな結果を残しやがった。
「下手くそ」
「ド直球！！」
素直な感想を述べてやったらぎゃんと鳴いてきた。
だってねぇ…、と思わず四人で顔を見合わせる。
まるでロボットだったし、…正直思い出したら笑いそうになるけど我慢してあげてるんだからそこは褒めてほしい。
「ああもういいっスよ！絶対オレが中級で高得点出してみせるっス！」
「きーちゃんが高得点出す前にきーちゃんのお財布が空になっちゃうよ？」
「大丈夫っス！手はあるんスから！」
そう言って黄瀬は小学生くらいの野球部男子がプレイしている姿を指さす。
何を言いたいのかなんとなくわかるけど…正気か。
「真似すんの？」
「Aっち正解！」
正解してしまった。
黄瀬はジッと少年を観察しており、下手したら犯罪一歩手前に見える。
でも本気で覚えようとしてるので、そっとしてあげた。
通報されたときには説明くらいはしてやるよ。
「せっかくですから桃井さんもやってみたらどうですか？黄瀬君が覚えるまでまだ時間がかかりそうですし」
「そう…だね。Aちゃんも一緒にやらない！？」
「さつきちゃんの見てるね！」
瞬で誘いを断った私は、ダンス台にあがるさつきちゃんを見守った。
さつきちゃんは先ほどの黄瀬と違ってリズム感があり、なかなかうまい。
ん〜しかしさつきちゃんのお胸が…その…。
「黒子もしかして狙った？」
「黒ちんってムッツリスケベじゃないよね？」
「え？何でですか？」
あ、純粋だった。
黒子に一言ごめん、と謝り視線をさつきちゃんに戻す。
結果はフツウスコアだった。
「結構汗かくね、これ」
「おつかれ〜」
「ムッ君、お菓子はコンビニに並ぶまで待った方がいいんじゃない？」
「えー…そうかなあ」
このままだと商品のまいう棒を手に入れることが出来ない。
妥協も時には必要だよな、と思っていると黄瀬がその必要はないっス！と声を上げた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 635人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こたきんぐ(プロフ) - 。さん» お返事遅くなりすみません！いいえ…完結ではありません…続きます…また近々ぼちぼちあげます(泣) ありがとうございます！ (2022年11月7日 23時) (
レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
。 - 面白くてイッキ見しちゃいました！ちなみにこれは完結なんですか？ (2022年10月30日 22時) (レス) @page36 id: 309377f64b (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - (名前)まいさん» ありがとうございます！ぼちぼちやってきます…！！ (2021年8月28日 12時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
(名前)まい(プロフ) - 最高 (2021年8月14日 22時) (レス) id: ec16fd7069 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - ぼた餅さん» ありがとうございます！お返事遅くなり申し訳ないです…。ほんと自分のペースになるんですが頑張らせていただきます！ (2020年8月16日 17時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こたきんぐ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時：2020年5月23日 20時
