六十五枚目 ページ19
Aside
先ほどまで調子に乗ってイキっていた彼らは、今では顔面蒼白、言葉にならない音が口からこぼれている。
そんなほぼＨＰ０の彼らに、次は緑間の隣にいたさつきちゃんが前に出た。
「…かッッこ悪」
ぴしゃーん、とこの場に雷が落ちてきたような感覚がした。
最後のとどめ、この学校一美少女と言われてもおかしくないさつきちゃんに心底軽蔑した目を向けられながら言われたこの『かっこ悪』という言葉。
彼らには大ダメージである。
ごめんなさいぃいい、と情けなく言い捨て、目に涙を浮かべながら四人の男子生徒はおぼついた足で逃げ去って行った。
「……部活は？」
「助けてもらって第一声がそれかよ」
「あ、助けてくれたんだ」
確かに助けてもらったかもしれない。
そんな私をある者は呆れたように笑い、ある者は呆れたようにため息をつく。
そしてさつきちゃんはぎゅうっと私に抱き着いた。
「ほんと最低だよあの人たち。顔覚えてやったんだから」
「あ、ははは、かわいそ」
中学生活終わったろ、あの人ら。
ちょっとしたおふざけで、本当に可哀想に。
「まあ、ありがとう」
「リンチされてんのかと思ってたけど、そんなことなかったじゃん」
「殴られそうになったら流石に逃げる」
紫原の言う通り、私も最初殴る蹴るをされるのかと思ったけど、口でしか攻撃してこなかったので逃げなかった。
いうだけ言って帰ろうとしてたんだけど。
「…それで、部活はいいの？虹村さんに怒られるよ」
「「「あ」」」
本来部活がはじまる時間はとっくに過ぎている。
虹村さんに何も言わずに来たらしい彼らは急いで体育館へ走った。
「お前ら遅いぞ！！外走って来い！」
案の定怒られた、そしてペナルティも。
虹村さんに謝り素直に外へ走りに行った彼らを見て、こうなったのは私のせい、だよなと思い虹村さんに話しかける。
「虹村さん、ちょっといいですか」
「…なんだ？」
練習中申し訳ないが更衣室まで来てもらい、二人きりの状況を作る。
選手たちの前では話したくないから。
「今日は遅れてすみません。私がちょっとしょうもない人たちに絡まれて、それをあいつらが…助けてくれて」
「ほう」
「これ以上のペナルティは、勘弁してあげてください。…私が布団かぶってるのが悪いんで」
あまり布団のせいにしない私だが、今回はちょっと自分のせいだなって思って。
一人でも解決できたけど、人の善意は珍しいから。
少しでも、返さなきゃって。
．
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こたきんぐ(プロフ) - 。さん» お返事遅くなりすみません！いいえ…完結ではありません…続きます…また近々ぼちぼちあげます(泣) ありがとうございます！ (2022年11月7日 23時) (
レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
。 - 面白くてイッキ見しちゃいました！ちなみにこれは完結なんですか？ (2022年10月30日 22時) (レス) @page36 id: 309377f64b (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - (名前)まいさん» ありがとうございます！ぼちぼちやってきます…！！ (2021年8月28日 12時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
(名前)まい(プロフ) - 最高 (2021年8月14日 22時) (レス) id: ec16fd7069 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - ぼた餅さん» ありがとうございます！お返事遅くなり申し訳ないです…。ほんと自分のペースになるんですが頑張らせていただきます！ (2020年8月16日 17時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こたきんぐ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時：2020年5月23日 20時
