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五十八枚目 ページ12

Aside


「どうしたの?」



暗くなった夜道、小さな女の子一人では危ない。

…誘拐される可能性だって高くなる。


私は小走りで緑間の妹である結衣ちゃんにかけより、目の前でしゃがみこんだ。



「えと…お守りを、落としちゃって」

「お守り?」



先ほど結衣ちゃんが腕を突っ込んでいた溝の中をスマホのライトで照らして覗くと、彼女がいうお守りが水の上で浮かんでいた。

結衣ちゃんの顔をチラ見すると、口をきゅうっと結んで目を伏せていた。
悲しそうな表情を見て、私ならギリ手が届くなと思い袖をまくる。



「妖精さん…」

「ちょっと離れてて」



地面に膝をつき、布団が汚れてしまうかもしれないけれど、仕方がないのでさっさと溝に手を突っ込む。

汚い水が手に触れ、うえぇ…と顔をしかめながら浮かぶお守りをつかんだ。



「…はい取れた。家帰ったらちゃんと洗ってね」

「ありがとう!!」



水洗いしたら中に入ってる紙まで濡れるかもしれないけど…いや防水対策くらいしてるか。

そんなことを考えている私に何度も結衣ちゃんはお礼を言ってくれるもんだから、私は何度もいーえいーえと返す。


手も布団も汚れてしまったので早く家に帰ろうかと思ったけど、結衣ちゃんをこのままココに置いていくのはいかがなものか。

家はどこかと尋ねようとすると、背後からこちらに走ってくる足音が聞こえた。

思わず体を固くし、警戒する。
心臓をバクバクさせながら振り向くとそこには結衣ちゃんの兄、緑間の焦った姿があった。



「…何してるのだよ」

「お兄ちゃん!妖精さんがね、また助けてくれたんだよ!…おばあちゃんから貰ったお守り、そこの溝に落としちゃってね」

「…そうか。また世話になったようだな、礼を言う」



眉を顰め、ふうっと軽く息を吐いた緑間は妹の無事に安心しているようだった。

凡そ家に帰るとこんな時間なのに妹の姿がなくて家を飛び出してきたのだろう。
なんか、妹思いの兄っぽいし。

緑間がいるなら結衣ちゃんは安全だな。

私は汚れた手をたらしながら家路につこうとすると、緑間が呼び止めた。



「…そこをすぐ曲がったところが俺の家だ」

「…だからなに?」

「よかったら私たちのお家に寄っていきませんか!お礼も、したいので!」



緑間が言い出せなかったことを結衣ちゃんが明るい声で代わりに言った。


お礼は別にいらないけど、手くらいは洗わせてくれたらいいかなと思い私は頷いた。


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こたきんぐ(プロフ) - 。さん» お返事遅くなりすみません!いいえ…完結ではありません…続きます…また近々ぼちぼちあげます(泣) ありがとうございます! (2022年11月7日 23時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
- 面白くてイッキ見しちゃいました!ちなみにこれは完結なんですか? (2022年10月30日 22時) (レス) @page36 id: 309377f64b (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - (名前)まいさん» ありがとうございます!ぼちぼちやってきます…!! (2021年8月28日 12時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
(名前)まい(プロフ) - 最高 (2021年8月14日 22時) (レス) id: ec16fd7069 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - ぼた餅さん» ありがとうございます!お返事遅くなり申し訳ないです…。ほんと自分のペースになるんですが頑張らせていただきます! (2020年8月16日 17時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/  
作成日時:2020年5月23日 20時

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