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五十一枚目 ページ5

Aside


「よいしょ」

「なんだ、立てるじゃん」



いつの間にか立てるようになっていたので自力で立ち上がる。
私と一緒にキセリョ君も立ち上がった。

そろそろ戻らないとさつきちゃんが心配する。
彼女は優しいからこんな私にも心配してくれるのだ。



「…次またこんなことが起きたら、挑発せずにすぐ逃げるんスよ」

「多分分かった」

「多分ってなんスか!?せっかく心配してやってんのに」



…ここにも、いたみたいだけど。

うんとこしょと私はカゴを持ち上げた。



「なんでこんなところにキセリョ君がいたかは知らないけど」

「…猫の様子見に来てたんス」

「…っぷ、あはは!猫好きだなぁ」



私も好きだけど。

うるさいなぁと笑ったキセリョ君は、あ、と凄く低い声をいきなり出した。

ビックリして思わず肩が上がる。



「怪我、してるじゃん」

「うそ」

「うそじゃない。これあげるから自分で貼っときなね」



ぺらりと一枚の絆創膏をカゴの中へ入れたキセリョ君は、じゃあ、といって本当に帰って行った。

怪我をしていたことは何となく気づいてたけど、手のひら方面だったし気づかれないかと思ってたからびっくりである。

なんだか嬉しく思うところがあったが、そんな邪念を飛ばしさつきちゃんの元へ急いだ。

後一個カゴが残っているので絆創膏を貼って、もう一往復しようとしていたらおい、と呼び止められるので振り返るとそこには緑間君がいた。



「なに?どっか怪我でもしたの?」

「…それは貴様だろ」

「貴様て」

「そこで座って待つか、保健室にでも行くのだよ」

「え?…いったぁ!?」



すれ違いざまに背中側の布団についた塵を払われる。

その際に壁に押し付けられた時アザでもできたのか、背中に激痛が走った。

私の悲鳴に汗を拭きに戻ってきていた青峰や赤司、紫原や不良の他に数人が此方に注目を向ける。


どうして緑間君は私が背中が痛いと分かったのかと疑問が浮かび、涙目で緑間君の方へ振り返る。そんな緑間君は私がもう一カゴ残してきた水道の方へ歩いて行った。

そこでハッとする。あの時のボール、もしかして。



「Aちゃん!?背中怪我してるの?何かあったの!?」

「さ、さつきちゃん声がでかいです…」



どうどう、とさつきちゃんをなだめるが、私の異変に気付いた赤司たちが此方へ向かってくる。

やめて、やめて本当に大事にしないでくださいほんと。


緑間君のせいだぞこれ。


.

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こたきんぐ(プロフ) - 。さん» お返事遅くなりすみません!いいえ…完結ではありません…続きます…また近々ぼちぼちあげます(泣) ありがとうございます! (2022年11月7日 23時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
- 面白くてイッキ見しちゃいました!ちなみにこれは完結なんですか? (2022年10月30日 22時) (レス) @page36 id: 309377f64b (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - (名前)まいさん» ありがとうございます!ぼちぼちやってきます…!! (2021年8月28日 12時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
(名前)まい(プロフ) - 最高 (2021年8月14日 22時) (レス) id: ec16fd7069 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - ぼた餅さん» ありがとうございます!お返事遅くなり申し訳ないです…。ほんと自分のペースになるんですが頑張らせていただきます! (2020年8月16日 17時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/  
作成日時:2020年5月23日 20時

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