216億 ページ29
Aside
「…はあ。なんかもう何かが確定しないと、私たちだけじゃ進まない気がする」
「はは、そうだね」
何かが確定すれば、サラッと解決できるかもしれない今回の事件。
けれど何もかもが曖昧すぎて、ほんとに、あと一つでも分かれば……。
とりあえず私はしゃがみこみ、コナンくんの頭をなでなでしてもちもちの肌を触って、頭を整理していく。
「ぼ、僕の体触る必要ある?」
「精神安定剤ぃ〜」
顔を赤く染めるコナンくんをほって、私は触り続ける。
そんな私たちを沖矢さんはクスリと静かに笑っていた。
「蘭ちゃんはコナンくんのもちもちほっぺとかサラサラの髪とか触り放題なんだろなーいいなー、それをラッキースケベとして捉えれるコナンくんもいいなー」
「Aさんもう触らせないよ」
「ごめんまじごめんって。だってコナンくん蘭ちゃんのこと好きじゃん」
「ばっ、Aさんはどうせ安室さんのことが好きなんでしょ!!わかるよ!!」
「すっ」
お互いあたふたしすぎて、沖矢さんに笑われた。静かにじゃなくて、もう普通に声に出して。
「僕、二人はお似合いだと思うなぁっ!!」
「ちょっ、なんでそんなやけくそなの!?もー、……
でも、ごめんねコナンくん、違うんだ」
「……?」
突然落ち着き、へらりと笑った私に、コナンくんは首を傾げる。
ゆっくりとコナンくんの頭を撫でてから、私は立ち上がった。
「私にアイツは、勿体ないよ」
ニコッと笑ってから私は来た道の方向へ体を向ける。
勿体ないほど、あいつは良い奴なんだ。
私はズルいから。
降谷の元にいていいのか分からない。
降谷の正義のそばにいていいのか分からない。
降谷の優しさに甘えていいのか分からない。
いろんなものが、分からないだらけで放置して。
そんなことより今は事件解決しなきゃいけないんだけど。
アイツの大好きな日本で起こる犯罪を、一刻も早く
「Aさんは、馬鹿だね」
「え、素直に傷ついた」
「僕謝らないから」
コナンくんはぷいっと顔を背けたかと思うと、私を抜いて、先を歩く。
沖矢さんは私の肩に手をポンッとおき、静かにため息を吐いたかと思うとコナンくんと同様、私の先を歩いていった。
……ぇえ、酷くない?
.
ラッキーアイテム
革ベルト
3969人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こたきんぐ(プロフ) - ありばばさん» こちらこそ読んで頂きありがとうございます!!泣いてくれたんですね…少しでも心動かせたみたいでマジで嬉しいです!番外編の方もし未読でしたら、お暇の時にぜひ! (2022年8月12日 20時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
ありばば - 良作をありがとうございます…!本当好きです、マジで、マジで!!一時はどうなるかとハラハラハラハラしてました泣きました。もっかい見ます (2022年8月11日 11時) (レス) @page47 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - \(^o^)/さん» もったいないお言葉です…。ありがとうございます!笑 (2022年1月23日 2時) (レス) id: 3277e9d770 (このIDを非表示/違反報告)
\(^o^)/ - 神作品とはこのこと、、、!!!679を680にしてやったぜ! (2022年1月19日 23時) (レス) @page47 id: 111ab3751f (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 眠夢_さん» ええありがとうございますー!!笑笑 その水拭いて差し上げたい…( ˘ω˘ ) 少しでも心動かせたようでよかったです笑笑 (2021年10月4日 15時) (レス) id: 3277e9d770 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2019年4月5日 11時