イヤホンと蝉時雨【オリジナルボカロ小説】

１　君との出会い ページ2

気温はまだまだ上がりそう。
夏が訪れようとしている。
転勤なども不自然なこの季節、
転校生がやってきた。

　「加藤鈴華です。」

その子は名前を名乗っただけだった。
よろしくとも言わない。
加藤、鈴華…
かとう、りんか

その名前を、心の中で何度も唱えていた。
ニコリともしない、無愛想なその少女は、
目を疑うほどの美少女だった。





　「鈴華ちゃん！！」

休憩時間、やはり彼女の周りには人だかりが出来ていた。
私はあまり人と会話したりするのが得意ではないため、
少し離れたところからそれを眺めていた。

鈴華「なんの用？
というか、私はあなたのことを知らないし、
いきなり気安く名前で呼ぶのはやめてほしいんだけど」

その言葉に、誰もが耳を疑った。

　「なにそれ、ひっどーい。」

彼女の周りの人だかりは、だんだん散らばっていった。

まぁ、そうなるだろうな。
ここは女子高だ。
目をつけられたらいじめなんかに発展しそうだ。
加藤さん、そんなことにならなければいいんだけど。

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