さぁ…みんなで…〝コロシアイ〟しましょう？ ―第一章― (ページ3)

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少年少女 side ページ3

？side
こんな森の中にあるとはな。これは死んでも、墓には入れなさそうだ。
「今宵。今日こそ」
続きの言葉を遮るように強風がふく。
短い髪をなびかせ、私····いや、俺は決意を示し、館へと入っていく。

？ side
「ここでおはなをいっっぱぁい咲かせば願いが叶うのかぁ！！」
白い髪をぴょんぴょんと跳ねさせながら笑顔でとんでもないことを平然という、これが僕。
軽くスキップをしながら、館へ行く僕は武者震いをしていた。

Noside
鬱蒼たる森を抜け、すぐ近くにある小さな丘を登りきると蒼い海が果てしなく広がる。淡い虚空には飛行機が飛翔し、水色の布を縫い合わせるが如く飛行機雲が作られた。

綺麗な景色が見える小丘には丁度、少女の腰あたりの四角い石碑が一つだけ置いてある。
石碑には「IZ.n」と碑銘があり、一人の少女は石碑の背に背中を預け遠くの方から聞こえる船舶の汽笛音に耳を委ねていた。

「私ね、判っているのだよ？」

親に置いて行かれた子のように寂し気に目をふせ、囁くほどの小さな声で石碑の主へと向けて呟く。

塩風が彼女の髪を撫でると、黒髪は静かに揺れた。風は泣き、草花は小さく囁く。蝶が楽し気に乱舞していた。僅かに聞こえる心地の良い水の音に身体を任せるように少女は頭部を石碑の頭に預け空を見上げる。

「こんなのに行っても意味はないって。どうせ、和泉くんと会えないって。でもね、これに縋るしかないのだよ」

酷く、泣きそうだった。
少女はゆっくりと立ち上がり石碑に一瞥を与える。

「…また、くるよ。和泉くん。……生きていれば、の話なのだけど」

少女は一人、希望の夢館(絶望のユメヤカタ)へと歩き出した。

？side
真っ赤な瞳をした少女は願う。
本当の幸せが欲しい、と。
栗色の髪の少女は願う。
みんなの当たり前(・・・・)が欲しい、と。
「...僕が絶対に叶えてみせるんだから！」
少女はそう堅く決意し、館の中へと入っていった。

？side
へぇ…手紙に書いてあったのはここかい。
かなり森の奥だな。ここで生き残れば、世界中のヒトは俺の…
「ヒヒッ楽しみだなぁ！」
俺の左目が怪しげに光る。好奇心を抱きつつ俺は館へ足を進めた。

？side
ここが手紙に書いてあった場所かぁ…
結構綺麗だなぁフフッ
ここで生き残れば私は…
「どんな奴らがいるんだろうねぇ…楽しみだなぁ…フフッ」
私はショートの髪を触りながら館へと足を早めた。

？side
ここがあの手紙の屋敷…姉さん仇は討つ。