人形師と落下事故【翠輝様リクエスト:「人形師シリーズ」ラッキースケベ】 ページ30
中也は眉間に皺を寄せた。
流華が見当たらない。
「…参ったな」
一体何処に行ったのだろう。
彼女は眼が弱い。視力の問題ではなく、日光に過敏に反応するのだという。
だから、いつも遮光眼鏡を付けている。
執務室の遮光カーテンもそのせいだ。
夜は、彼女も星を見に行ったり、散歩に行ったりもする。
だが、真昼のこの時間帯には、余程の事が無ければ外には出ない。
端末は執務室に放置されていた。
この建物の中にはいるとは思うが、部下も知らないというのだから、お手上げだ。
「彼奴が行きそうな場所…」
中也は首を捻る。
休憩所、食堂、喫煙所。
違う。全て人が多い。彼女は人が苦手だ。
其処でふと、閃いた。
資料室。
先日、新しい資料が其処に収められたはずだ。
文字の好きな流華なら、確認に行ったかもしれない。
中也は革靴の音高らかにに其の部屋に向かった。
※
其れは、事故だった。
本当に、一分(いちぶ)だって中也に疾しい気持ちは無かった。
「おい、流華!!」
大声で呼びかけた中也。
驚いて飛びあがった流華。
問題は、彼女が脚立の天辺につま先立ちをしていた事。
『あ』
ぐらり。
当然の如く、脚立が揺れる。
「危ねェ!!」
咄嗟に一歩踏み込んだ。だが。間に合わない。
衝撃。
視界が暗転。
「ってェ」
後頭部を打った。
流華は!?と顔を上げた時だった。
むにっと柔らかい物が顔に当たったのは。
それは、確かに暖かくて。
耳を澄ませば、鼓動の音がして。
恐る恐る視線を上げた中也が見たのは、真っ赤になった流華の顔。
どうやら流華は中也の上に落下したらしい。
そして彼女を受け止めようとして一緒に転げた中也は…流華の胸に顔を埋めていた。
「わ、悪ィ!!」
謝って距離を取るにも流華は上に乗っているからどうしようもない。
――次の瞬間乾いた平手打ちの音が、廊下にまで響いた。
――――
リクエストを頂きました。
翠輝様誠にありがとうございます!
このようなモノでよろしかったでしょうか?
可能であれば感想をお願いいたします。
2016年11月21日ちょこ
人形師と来訪者 【翠輝様リクエスト:人形師シリーズ、恋愛イベント】→←赤ずきんと家族【黒林檎様リクエスト:「赤ずきんと人狼」続編】
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ちょこ(プロフ) - パピルスさん» お待たせしました!先刻其の11にてアップ完了いたしましたのでご確認お願い致します。 (2017年10月29日 22時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - パピルスさん» お久しぶりです!!お返事遅くなり申し訳ありません!!(;´・ω・)リクエスト誠にありがとうございます!!10/27-29日頃アップにて書かせて頂きます!少々お待ちくださいませ! (2017年10月26日 0時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
パピルス - 記憶の雨の続編をリクエスト宜しいでしょうか。何年か過ぎて生まれ変わった2人を書いて頂きたいです!記憶は全くないけど何処か知っているような感じで惹かれ合うお話を書いて頂きたいです!お願いします(人´∀`*) (2017年10月23日 23時) (レス) id: 8aa7434c54 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 黒鶫文佳さん» お待たせいたしました!!其の7にてアップさせて頂きました!ご確認よろしくお願いいたします! (2016年12月9日 18時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - ふうかさん» お待たせいたしました!先刻其の7にてアップ完了致しましたのでご確認くださいませ! (2016年12月8日 23時) (レス) id: 2bc1ed36c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/
作成日時:2016年10月28日 21時