七夕 ページ40
遅刻ですが、七夕ネタです。
若干大人向きとなりますので、苦手な方はお気を付けください。
※
「ん…」
肌寒さに寝返りを打った中也は先刻まで隣で寝ていたはずの女が隣にいないと気づく。
視線を巡らせると其奴―流華―は、窓辺にいた。肌が透ける程の薄衣を纏って。どこか、儚げ。
まるで、そのままどこかに行ってしまいそうだ。
なんとなく過った思考に我ながらゾッとした。
厭だ。
思わず、寝台を蹴飛ばして彼女を腕に抱く。
『…如何したの、中也?』
不思議そうに此方を見る瞳。
「手前ェこそ何してンだ。風邪ひくぞ」
素直じゃない口から出た、ぶっきらぼうな言葉。
『御免、ちょっと星を見たくて』
彼女は本音に気付いているのか、いないのか。
くすくす笑って空を見た。
何年かぶりの晴天に、天の川が綺麗に見えていた。
「嗚呼、七夕か…」
『ねぇ、知ってる?中也』
「ア?」
『織姫と彦星は最初、とても真面目な働き者だったの。
でも初夜で、≪夜の営み≫の快楽に堕落して働かなくなったんだって。
だから、怒った神様はお仕置きに一年に一回しか会えなくした』
星を眺め、此方に視線を寄越す。
そんな流華に、何故か寝台での情事を思い出してそのまま滑らかな髪を掴むような乱暴な口づけを一つ。
酸欠に喘ぎながら、彼女は小さく笑う。
『私も、神様に怒られちゃいそう』
「あンでだよ?」
『だって、ずっと中也と閨(ねや)でこんなこと、していたいから』
「はっ」
もう、たまらなくなって流華の膝裏に腕を差し込んで寝台に押し倒す。
「怒られてこいよ」
『やだ。中也と年に一回しか会えないなんて』
嗚呼、まったくもって、なんでこんなにも…愛しい。
「そんな理不尽なこと云う奴ァ、神だろうが仏だろうが捻り潰してやる」
此奴は俺のモンだ。俺が傍にいて、護ってやる。何があっても。
首筋に所有印を刻みつけると、彼女はまた笑う。
―――嗚呼、後で短冊を書こう。彼女と離れてしまうことが無いように。
世話焼系男子と脱力系女子-前編-→←貴方と出会って花になるーぼだいじゅー
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ひよこリュナ(プロフ) - ちょこさん» hohohoほんとですか!!!ありがとうございます!!Bダッシュで見に行きます!! (2016年7月17日 10時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - ひよこリュナさん» リクエストありがとうございます!読んでいただけて嬉しいです!!先刻続編にアップさせて頂きましたのでご確認よろしくお願いいたします!! (2016年7月17日 10時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - 叶わないの続きを見てみたいです!!ハッピー方面で!! (2016年7月16日 23時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - アリスさん» リクエストありがとうございます!先刻アップさせていただきましたのでご確認ください !! ( (2016年7月11日 21時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 麗さん» 御覧頂きありがとうございます!これからも書かせて頂きますので、またのリクエストお待ちしております! (2016年7月11日 17時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/
作成日時:2016年6月14日 21時