【歌い手】この街の塾は歌い手 さんで溢れている

36時間目 ページ47

貴方side

私は今携帯を手にめちゃくちゃ困っています。

なぜならどこから来たか分からない伊東先生からのメールが来たからだ。

きっと連絡網かなんかから来たんだろうけど…

差出人:伊東 司
題名:時間割
本文:時間割は国語、数学、英語、道徳、音楽、体育です。1時間だけでもいいので良ければ来てください。僕が待っています。ちなみに席は1番前の1人席にしました。別の教室も用意するので来てくれると嬉しいです。


伊東先生からの愛(？)のこもったメールを受け取ったAはどうするべきなのか…？

とりあえずリスナーさんに知られたら逆鱗に触れることは確かだ。

でも、まだあの人達と、同じ教室に行く気はないし…別の教室を用意されるのもなぁ。

正直言って先生も、信用出来ない…。
特にあの体育の熱血教室…。
ほんとあのセリフは忘れられないなあ。

とりあえず私が真っ先に思いついたのは『保健室登校』だった。

─────────────────────
さっきAちゃんにメールを送った。
もちろん連絡網を使って。

少ししつこいかもしれないけどそれでも来て欲しい。

どんな返事が来るかなー…と次々職員室に入ってくる先生を見ていた。

ﾌﾞｰﾌﾞｰ

僕のスマホが｢はよ出ろや、おらぁ。｣みたいな感じで振動してきたので見るとAちゃんからだった。

差出人:太田 A
題名:Re:時間割
本文:わざわざ連絡ありがとうございます。
まだ、授業に出るのは少し怖いので本日は『保健室登校』にしようかと思います。しばらくはこういう形で学校に行くかもしれないのでよろしくお願いします。


授業に出てくれるかな？なんていう期待はすぐに破れてしまった。だが、続きを見てみると保健室登校に、するようだ。

Aちゃんにはこれも大きな一歩でなかなか踏み出すのに勇気がいることなんだろうな。
僕がその手伝いを出来たのかなと思うと少し嬉しい。

天月くんの時以上に僕は成長できたのかな？

おっと、いけない。
保健室に連絡を入れないと、
保健室の先生は去年と変わっていないようだしAちゃんが自ら行きたいと言うぐらいだから信用はできるのだろう。

僕はわかった。というメールをAちゃんに送って保健室へと向かった。

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