72. ページ26
部屋に入って２分後。
シンタローはヘッドフォンを外し、
パソコンのキーボードを打ち始めた。
真剣な顔なので、よほど集中しているのか・・・・・・・
シンタローのこんな顔は、初めて見た。
何故かシンタローを見つめて更に２分後。
シンタローは、はた、と此方に気付いた。
・・・・やっとだ。
ちらり、とアヤノさんの方を見ると、何とも複雑な表情をしていた。
シンタロー「・・・・・あんた・・・・・不法侵入だろ・・・」
A「ドアの鍵がちゃんと開いてましたー。
あれじゃあ、泥棒に“入ってください”って言ってるようなもんよ？」
シンタローはうっと押し黙り、
A「・・・・・・・・・・それより、さ。シンタロー」
改まって、シンタローを見つめる。
シンタロー「・・・ん」
見つめられて、シンタローは頬を赤く染めて視線を逸らす。
A「アヤノさん」
その名前を口にし、シンタローは、ハッと顔を上げる。
A「・・・・・・・・・シンタローには・・・・・・見える・・・？
よね・・・？」
ドアの陰に隠れていたアヤノさんが、遠慮がちにひょこっと出てくる。
それを見て、シンタローは目を丸くした。
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作者名：剣城 由華 | 作者ホームページ：http://miku@tsurugi
作成日時：2013年3月31日 10時
