青道高校野球部にイケメン系女子が！？ (ページ33)

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御幸side ページ33

試合が終わって

Aに話しかけに行こうと思ったら

もうベンチにはAの姿はなかった

いる所はだいたい予想は着いたから

そこに向かうと

案の定、Aと鳴が話してた

いつもなら、空気を読めない俺が入ってけるくらい明るい雰囲気の2人なのに

今はちがう

だから、俺は、話には入らず

物陰に隠れて2人の話を聞いた

✽

は？なんだよ、過去のことって？

なんだ鳴は知ってんのに、彼氏の俺には言ってくんねーの？

亮さんはあいつの実の兄じゃない？どういうことだよ

いろんな疑問が俺の頭の中に浮かんだ

Aにどんな過去があるのだろうか…

✽

稲実が帰ったあと、Aと俺は二人きりになった

Aは言いたくない過去があるのかもしれないけど

彼氏としてどうしても聞きたかったから

Aに聞いた

『鳴が言ってたAの過去ってなんなんだ？』

「え？なんにもないよ？」

『なんで鳴は知ってて、彼氏の俺には教えてくんねーの？』

「鳴はそーいうんじゃ…」

『お前ら付き合ってたんだろ？中学のとき』

「話し聞いてたの？」

『あぁ。わりーな』

「…話すから、もうこの話は一生持ち出さないで」

Aはいつもは見せない真剣な表情で

そういった

そして、全部俺に話してくれた

両親が事故で亡くなったこと

いとこである亮さん家に預けられたこと

そして、兄弟はいなかったのに

突然、兄と弟ができたこと

Aの過去をすべて…

話を聞いてるうちに俺は心が痛かった

いくら知りたかったとはいえ

Aの過去にこんなことがあったなんて

思うと、聞かなきゃ良かったと思った

『話してくれてありがとな』

「お兄ちゃんとかには言わないでね。お願いだから」

『おう。』

この話を聞いた俺も辛かったけど

それ以上にAはもっと辛かったのに

俺はAを抱きしめてやることさえできなかった

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