貴女side&御幸side ページ22
いつの間にかベッドでスヤスヤと御幸が寝てる
もしかして、昨日から具合悪かったのに
無理して誕生日パーティー開いてくれたのかな
ほんとありがとね、御幸
小さな声でささやいて、御幸の頭を撫でた
あ、今のうちにおかゆと、冷えピタ取り行こ
そう思い、私は、御幸から離れて
食堂に行った
御幸side
ありがとね、御幸
そうAにささやかれたような気がした
少しして俺が起きると
Aは俺の部屋にはいなかった
もしかして、俺、裏切られた?
あーあ、やっぱ、俺じゃダメだったのかよ
そばにいてくれるって言ったのに
振られたんだと思いながら寝ようとすると
ガチャッとドアの扉が開いた
おぼんの上には小鍋が乗ってて
グツグツと煮えていた
そして、そのおぼんを机の上に置き
また走ってった
そしたらすぐ帰ってきて
冷えピタを持ってきたAがいた
振ったんじゃなかったのか?
俺の勘違い?
もしかして、俺が寝たのを確認して
なにかを作りに行ってくれてたのか
それなのに俺は振られたとか勝手に勘違いして
最低な男だな
「…御幸?起きた?」
『あ、おう』
「起きてる?熱は下がった?」
『たぶんな』
「じゃあ、おかゆ食べれるかな?何も食べてなくてお腹すいたでしょ?食べれるなら食べてよ」
『あーんしてくれたら食う』
「……わかったから、起きて?」
そう言われ、俺はベッドから起き上がり
机の方に向かった
俺が想像してたおかゆは具なしのただの白いやつ
でもAの作ったやつは
野菜も入ってるし、栄養がちゃんと取れそうな
優しいおかゆだった
「はい、口開けて?」
『ん、あーん』
パクッ
やべぇー、うめぇ
毎日風邪ひいて、毎日このおかゆ食いてー
『うめぇな!』
「よかった!早く元気になってよ?」
『…おう』
でも、早く野球やりてーし
いっぱいAのこといじりてーし
Aの照れる顔もっと見てぇーから
早く治すわ!
たまには風邪ひいて
彼女に看病されるのも
悪くない
でも、後で亮さんになんか言われそう…ははは
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作者名:[konomi▲] | 作成日時:2016年12月17日 22時