貴方にだけ愛されたい

Mitorizu．m#1【長編】 ページ21

みんなが私に言う。


『あなたは強いから1人でも大丈夫でしょ』って

だから私も

「当たり前やん。」

そう答える


私だって本当は弱音も吐きたいし

辛いよとか寂しいよってそう思ってるのに…

私だって普通の女の子だよって伝えたいのに…


私はいつも損をする。


だからいつの間にか本当の私は消えた。
いるのは強い自分。
見せるのも強い自分。

───────────────


「おつかれー！」


そう声をかけてくれたのはリリーさんで
先輩のmitorizuさんだ。

そして私はピンの女芸人だ。

前まではトリオでやってたんだけど
色々あって今は1人で活動している。


「あ、リリーさんお疲れ様です！
今収録が終わったんですか？？」

リリーさんは私の先輩であり、今密かに片思いしてる人…


「うん、そっちは？」

「私は別のスタジオで収録やったんですけど
10分前には終わってました！」

2人で話をしていたら

「おつかれー！」っと盛山さんもやって来る。


「じゃあAは誰か待ってたん？」
リリーさんに返事をする前に私は彼に返事を返す。

「あ、シケモク君お疲れ様です」

「おい、シケモク君って呼ぶな！」

「あはは、誰か待ってたわけじゃないですけど
家に帰るにはまだ早い時間やなって思ってちょっとフラついてたんですよ！」

彼が追いかけて来たので笑いながら
リリーさんの後ろに隠れて答える。


「そうなんや、俺達も早めに仕事終わったし
それなら飲みに行く？」


「え？いいんですか？是非行きたいです！」

「よし、その前に俺のとこきてあやまろかー」

リリーさんの体の周りをぐるぐる回りながら
彼に捕まらない様に逃げる。

「もう、盛山さんのせいで目が回りました！」
観念して立ち止まると髪の毛をワシャワシャ撫で回された。

「何で俺のせいやねん！」

そんな私達を見てリリーさんは笑いながら

「兄弟みたいやな」っと言った。


──────────────────


2人が楽屋から出てくるまで
私は楽屋の外にあるベンチで座って待つことに。


すぐに出てきたのは彼だった。


「早いですね。」

「せやろ？」

「タバコ吸いに行くんですか？」

「いや、少し話そうや」

隣に座って横並びになる。


「そういや、どうなん？」

「最近ですか？最近はお仕事も貰って順調ですよ？」

「そやなくて、前トリオやったやん
今向こうは側はそのままコンビやろ？
ちゃんと話し合って解決したんか？」

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