57話 ページ14
エレベーターで下の階へ降りる。目隠しされていたものだから下の階ってこうなってたんだなーって感じだ。黒服の人はそんなにいない。
「あの…こんなに堂々と歩いてて大丈夫なんですかね。」
「逆に堂々として無いと怪しまれるよ。」
そんなもんなのだろうか。もう既に数少ない黒服さんの中の数人の黒服さんがこっちを訝しげに見ているのだが…。
まあ確かに挙動不審ってよりはいいかも知れないな、と思って納得する事にした。
にしても…
「やっぱ広いですねここ。」
「そりゃあ、あのマフィアの本拠地みたいなものだからね。広いに決まってるさ。」
かなりの高さがありそうだし、広いし。もしまた来る機会があるならば(無い事を願いたいけれど)確実に迷うなぁ…。
「あ、そうそうAちゃん。これ君の携帯電話とナイフ。返しておくよ。」
「あ、ありがとうございます。」
取り返して来た上に助けてくれるなんて…。太宰さん、この間十数段階も評価下げてごめんなさい。反省します。
まぁ、太宰さんに迷惑かけちゃったなぁ…しくじったなぁ…。
探偵社の足引っ張っちゃったかな。そう思い少ししゅんとしていると。
「まぁ中身はどうであれ君はまだ四歳だ。四歳にしては充分強いと思うし、充分敦くんたちを助けようと努力した方だと思うよ。
どういう状況だったかは見てないから知らないけど、大方マフィアに囲まれたんでしょ。芥川くんもいたんなら、君じゃなくても状況を打開するのは難しいさ。
それに、敦君たちは強いから。きっと無事さ。」
「予想してたんですね…。私達が捕まる事。」
「うん。そう言えば君、私が助けに行かなかったらどうするつもりだったの。」
「最初は森さんに毒でも盛ろうかなって思ってたんですけど…。無理そうだったので自家製手榴弾で窓をぶっ壊して飛び降りようかと思ってました。」
「毒…自家製手榴弾…。君本当にとんでもないもの作るね。ていうか飛び降りるって…助けに来て良かったよ。」
そう言ってため息をつく太宰さん。
失礼な。毒は知らないけど国木田さんだって異能使えば作れるでしょ、自家製手榴弾。
あ、今さり気なくさっき気になってたこと聞いてみようか。
「そう言えば太宰さんはなんでこんな所にいたんですか?まさか私を救出する為に態々乗り込んできた、とか?無いですよねぇ…。」
「んー。マフィアに捕まってた!」
…は?
「今、なんと?」
「だからぁ、マフィアに捕まってたの。勿論わざとだよ?いやぁね、敦くんに懸賞金をかけたのが何処の誰か気になってねぇ。」
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あーちゃん(プロフ) - 78話のヒロイン達のお話の題名はどのような題名なのですか? (2019年6月12日 0時) (レス) id: 32e2eab4af (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ麻呂(とよ)(プロフ) - 今更ですが、女医で、せんせいと読む事にしておいて下さい…。 (2019年3月1日 11時) (レス) id: 06dfc878d9 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ麻呂(とよ)(プロフ) - 鼠ちんさん» なるほど…。今後夢主ちゃんに毒を使わせるときはそうさせていただきます!調べて頂き、ありがとうございます! (2019年2月26日 20時) (レス) id: 06dfc878d9 (このIDを非表示/違反報告)
鼠ちん(プロフ) - 調べました所トリカブトに含まれる毒性物質の致死量は2~6mgだそうで、トリカブトが4mgでもこれだけの量が含まれている事が多いのでそこまで薄めることは専用の機材でもない限り不可能かと思いますの体重1kgに対し0.3mgの鈴蘭はいかがです?いや猛毒には変わりないですが (2019年2月26日 20時) (レス) id: 1616c0402d (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ麻呂(とよ)(プロフ) - 今回の様によく知らないくせに使ってる…みたいな所がございましたら、どうぞ現実的なツッコミをいれてくだされば…。 (2019年2月26日 17時) (レス) id: 06dfc878d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましゅ麻呂(とよ) | 作成日時:2019年2月22日 19時