【黒バス】私は幸ちゃんにしか興味ありません【笠松幸男】 続編

第32話 ページ33

笠松side



「はぁ、何してんだ俺。」




Aについ怒鳴っちまった｡

あんなに怒る必要一切なかったはずなのに。



いつも黄瀬に怒っている癖が出てしまったのかもしれない。





花火大会せっかく誘えたのに、どうすんだよこれから。



確かにAの言った通り、俺がAのことを諦めてるわけなんてない。

記憶があろうがなかろうがAはAだ。

前と同じく優しくて可愛くて、傍にいて安心できる俺の彼女だ。



それなのに俺はAを不安にさせちまってる。

事故の前も後も。




俺が項垂れながら病院を出た時だった。






「あれ、笠松さん。今日出るの早いっすね。」




日向…か。

俺の今の状態では1番会いたくない奴だった。





「あぁ。」


「なんか、あったんすか？」





何かを察したのか日向が慎重に聞いてきた。





「お前の方が、Aのこと幸せにできるのかもしんねぇな。」


「は？何言ってんすか笠松さん！」


「もう俺は…Aを不安にさせてばっかなんだよ。
今だって、Aに俺と付き合ってることバレちまって追い出されたとこだ。」


「でも、それは…隠し通せないっすよ。
いずれば絶対バレることだったんですから。」


「でもこれから俺が会いに行けば、Aが嫌な思いをするかもそれないだろ。
それは嫌なんだよ。日向ならAを…」





言い終わる前に日向の顔を見て思わず言葉が出なくなった。



日向の目からは涙が流れていた。

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