【黒バス】私は幸ちゃんにしか興味ありません【笠松幸男】 続編

第22話 ページ22

笠松side


俺は、どうすりゃよかったんだよ。



Aが走り去った後、俺はその場に立ち尽くしていた。

なんて声をかけてあげればいいのかもわからず、追いかけることなんてできなかった。



Aが、あんなに悲しそうな顔してんの初めて見た。

あいつはちゃんと俺のこと好きでいてくれているのだろうか。



前までは自信しかなかったはずなのに。





「こんなに好きなのにな…」





合宿中、Aは笑顔で皆に接してあっという間に仲良くなってて、

楽しそうに皆のために料理作って、俺がなにかすればすぐ顔真っ赤にして。



そんなAが大好きなはずなのに。






俺はまた日向の言葉を無視して今もAを1人にさせた。



でも俺が守るって付き合ったときから決めてたんだ。

確かに今の俺は間違ってしまったかもしれないが、日向には絶対渡したくない。





まだ間に合うと思い、Aの後を追った。

ちゃんと伝えないとあいつはわかってくれない、態度で示そうとしてもダメだ。

今までもそうだったじゃねぇか。



俺なりに今までAを大切にしてきた。

こんなところで折れてどうするんだ。



少し走ると大通りの交差点が見えた。

いつもの俺達の通学路なはずなのに。









「な、なんだこれ…」




そこにはたくさんの救急車とパトカーの数。

周りには野次馬、野次馬、野次馬。



俺はその野次馬をかき分け救急車の近くを見ようとした。

なにか嫌な予感がしたから。






「嘘だって言ってくれ…」





救急車の近くで倒れていたのは、海常の服を着ているAだった。

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