【黒バス】私は幸ちゃんにしか興味ありません【笠松幸男】 続編

第21話 ページ21

合宿が終わり、今は歩いて幸ちゃんと帰宅中。

だけどお互い気まずいまま。

何も話さず帰ることなんて今まで一度もなかったのに。









突然幸ちゃんが立ち止まった
。
もちろん私もそれに合わせて立ち止まる。




「幸ちゃん？」




暗がりでよく見えなかったけど、深刻そうな顔をしているのは伝わった。









「A。」


「なーに？」


「俺なんかでいいのか？」


「え？」




思ってもみなかった言葉が幸ちゃんから発せられた。




「だってよ、合宿中俺は一度もAを守ってやれなかった。
全部日向が助けてくれてた。
Aも嬉そうにしてたし、だから…」




そう言って、幸ちゃんは俯いてしまった。



このまま終わっちゃうの？

私はこんなに幸ちゃんのことばかり考えて、想ってるのに。



合宿中幸ちゃんのバスケしてるとことか、

優しくみんなに接してるところを見てさらに好きになったのに。





「日向の方が幸せにしてくれるんじゃねぇかって…その方がAもいいんじゃないかって。」


「幸ちゃんの勝手な妄想だよそんなの！私は…私は…」








これ以上幸ちゃんの言葉を聞きたくなくて、私はその場から走り去った。

幸ちゃんが呼びかけるような声が聞こえたけど私は立ち止まらなかった。




立ち止まって、またさっきみたいな話をされるのは御免だった。

今まで喧嘩なんてしたことなかったのに。

これ以上幸ちゃんとの関係を崩すようなことはしたくなかった。

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