【黒バス】私は幸ちゃんにしか興味ありません【笠松幸男】 続編

第12話 ページ12

「リコさん…？」



私がもう一度呼びかけると、リコさんは我に帰り私の顔を見た。
かなり長い時間考えこんでいたようだ。





「ごめんね、ちょっとボーッとしてた。
なんの話してたんだっけ？」


「えっと，リコさんの好きな人の話です。」





と言おうとした私の口を、ギリギリのところで踏ん張らせた。


多分あの様子じゃ何か複雑な恋愛なのかもしらない。

私なんかが無神経に聞いていいことではないような気がした。






「ちょっと私、外行ってきますね！」





気分を紛らわせるためにも、私はその部屋を出て外の空気を吸いに行った。















「んー、今日の夜は涼しいな。」



外に来ると涼しい風が全身を撫でた。

ほんとは今も夏真っ盛りの時期だけど、今日は涼しく感じられる日だった。





「ここにいたのか。」




私はその声の方へ顔を向けた。




「幸ちゃん。」




幸ちゃんの傍に駆け寄りそのまま抱き着いた。

やっぱり幸ちゃんの腕の中は安心する。




「どこいるのかと思って探してたんだ。」


「ごめんね。部屋でリコさんと話してたから…」


「たった少し会えなくてこんなんになるとか、俺も相当重症だな。」





幸ちゃんはそう言って溜息をついた。

でもその顔は微笑んでいる。





「そんなことないよ。私はずっと幸ちゃんといたいよ。」


「可愛すぎかよほんと。」





幸ちゃんはそう言って、触れるだけのキスをした。

そしてそれは瞬く間に深くなっていった。



幸ちゃんの腕はいつの間にか私の腰に回っていた。






「ん、幸ちゃ、」


「A…どうしようもないくらい好きだ。」




こうして私達の合宿初日は無事終わった。

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