【黒バス】私は幸ちゃんにしか興味ありません【笠松幸男】 続編

第11話 ページ11

リコside


そして夏合宿当日。

今回はいつもと違い海常高校との合同合宿。



この合同合宿は私が企画したものだ。

あの練習試合以来、皆それぞれの役割を担おうと必死である。

ここでもういっちょ刺激を入れておこうと思ったのだ。



だからこそ気合いをいれなきゃいけないはずなのに、

私はバスの中で珍しくボーっとしていた。

皆はなんかあったのかって少し騒いでたし。



はぁ、こんなんじゃダメだ。

私がしっかりしないと。

誠凛の監督として指揮しなきゃならないんだから。





「大丈夫かほんと。体調悪かったら言えよ？」





なんでこういう時優しいんだよこいつは。

まぁこういうところにも惹かれてるのかもしれないけど。






「大丈夫。ほら、みんなついたよっ！」





私は皆より先に急いでバスを降り宿泊先の中へ。

まだ海常は来ていないようだった。



それぞれの部屋に荷物を置いて玄関で待つことにした。



でもさっきから日向君の様子がおかしい。

妙に日向くんソワソワしてる気がする。



なんかしきりに外気にしてるし、伊月くんのダジャレにも突っ込もうとしないし。

いつもの日向君じゃないことは確かだ。



でもその原因はすぐにわかった。

海常高校のバスが着き、そのバスから出てきた女の子を見た瞬間だった。




明らかに日向くんの表情が変わった。




あの女の子は確か海常のマネージャーさん。

しかも笠松さんの彼女さんじゃなかったっけ？

今も仲良く話してるし。






「日向く…」






私が不意に呼びかけた時の彼の顔は、なんとも言えないような、悲しい顔をしていた。

それ以上私は声をかけられなかった。





彼氏いる子より私を選んでくれたらいいのに。



そんなワガママな考えが頭をよぎった。



でもその後日向くんがその子と楽しそうに話しているのを見て、

私が入る隙間なんてないって気づいた。

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