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最後の綱 ページ29

〜アーヤ〜

「爆発するんは、12時以降やなかったんや!」

目暮警部から貰った予告状のコピーを、服部さんはグシャッと握る。
その言葉に、私たちは皆呆然とした。

だって…眠い時間が終わったら楽しい時間がやってくるって書いてあったじゃん!
実物にも、書いてあったのに…

「服部さん、それどういう意味ですか?」

黒木君が焦ったように聞いた。

「爆発までもう時間があらへんのや…」

そんな…!

「どうしてっ!翼…コナン君…!」

私の頬を涙が伝った。
もう二度と会えない…不安がよぎったから。

そんな私を見た若武は、自分の右拳を左の掌に打ち込んだ。

「アーヤ泣かせやがって…美門、許さねぇ!ぜってぇ会って殴ってやる!」

若武…?

若武は、強い決意の光を瞳に宿らせ、小さく微笑んだ。

「絶対会ってな…」

あ…
そうだ、私たちが諦めちゃダメだ!
外にいる私たちにも出来ることが、きっとある!

私は涙を拭いて立ち上がった。

「ありがとう、若武。私も、絶対2人と会う!」

上杉君や小塚君、黒木君に忍…歩美ちゃん達も、笑いかけてくれる。

「その意気だろ。」

「皆で頑張ろう、彩お姉さん!」

服部さんは、警察の方を向きニヤッと笑った。

「俺らにも、まだあいつら助ける手ぇ残ってるで。」

ほんとっ!?

「危険な方法やけどな。」

それでも、私はやりたい。

自然と声に出ていた。皆、一瞬驚いたようだが、すぐに笑う。

「同じ気持ちだよ、皆。」

「ほんなら、ここで2つのチームに別れよか。」

へっ?

「何をするんですか?」

上杉君が服部さんを見た。時計を気にする服部さんの姿に、私は焦りを覚えてしまう。

翼、コナン君…絶対無事でいてね……!

「警察の目引いて気ぃ逸らすチームと、その隙にサッカー場に潜り込むチームとに別れるんや。」

サッカー場に潜り込む!?
翼とコナン君に、会える…!

行きたい、そう言おうとすると、服部さんは厳しい目付きでサッカー場を睨んだ。

「多分、立ち見席と電光掲示板に爆弾がある。俺らが潜り込むとしたら、警備が手薄な北客席か南客席や。でも、その2つの客席は電光掲示板の真下…立ち見席が爆破しても大丈夫やと思うけど、電光掲示板爆破の前には逃げなあかん。つまり、相当な覚悟がいるっちゅうこっちゃ。」

相当な覚悟……私には、ある?

爆破する、と分かっているところに行くのは、怖い。でもここで行かないと、きっと私は後悔する。


《無事に帰ってきて》

これを、伝えたい。

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みずは翼(プロフ) - 吹雪姫さん» いいですね♪書かせて頂きます!! (2019年8月14日 22時) (レス) id: 9487e9fcb1 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪姫 - お願いです!KZ×コナンの夢主アリ小説書いてください! (2019年8月14日 18時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
みずは翼(プロフ) - 秋風優希さん» ほんとですか!?ありがとうございます!秋風さんも頑張ってください! (2019年1月4日 21時) (レス) id: 9487e9fcb1 (このIDを非表示/違反報告)
秋風優希 - この作品続きが気になりますね!同じKZ×コナン夢小説の作者として尊敬します! (2019年1月4日 20時) (レス) id: b1cee99cd5 (このIDを非表示/違反報告)
みずは翼 - まお??さん» 返信しなくて、ほんとすいません!パスワードど忘れしてたんですけど思い出したので、これから更新始めます! (2018年10月27日 16時) (レス) id: 142ba0a5c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みずは翼 | 作者ホームページ:http://mizuha.uranai@tututu  
作成日時:2018年7月23日 22時

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