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侵入 ページ30

「どう別れる?」

黒木君の問いに、若武は唸る。
そして、真剣な光を讃えた目で私たちを一瞥した。

「爆破の危険を考慮した上で……アイツらの元に行きたい奴はいるか?」

私は、何の迷いもなく手を挙げた。
それは、聞いた本人の若武も、元太くんたちも同様だった。

手を挙げたのは、服部さん、若武、上杉君、黒木君、小塚君、子供たち、そして私。

つまり、手を挙げなかったのは、忍だけ。

「忍は行きたくないの?」

私が驚いて聞くと、忍は何やら小さな機械を取り出した。

「この音声を大きくできる装置で、俺は警察の目を撹乱させる手助けをする。流石に1人だと無理だから…そこの子供ら、一緒にやってくれねえ?」

私は、忍を尊敬した。
だって、忍も翼たちに会いたいはず。でも違う方のチームにまわってくれる。それに、子供たちのことも、さりげなく安全な方のチームに誘ってくれた。

ありがとう、忍。

「えぇー…僕たちもコナン君に会いたいです!」

不満そうに言う光彦君たちに、忍は不敵な笑みを浮かばせた。

「俺らで警察に一泡吹かせてやろうぜ。」

う、誘い文句が上手い!
案の定、子供たちは顔を見合わせてニーっと笑った。

「いいじゃん、それ!警察なんか、やっつけちまおうぜ!」

一気に乗り気になった子供たちをよそに、忍は私たちに向き直った。
さっきより、随分慎重な面持ちだ。

「俺一人じゃ子供たち見れる自信ねえから…あと一人残ってくれる人、いる?」

皆一瞬シーンとなった。もちろん、私もだった。
そりゃあ、皆行きたいよね…

その沈黙を破ったのは、小塚君だった。

「いいよ、七鬼。僕が残る。」

えっ!?

「小塚、マジ?」

驚き混じりに聞く上杉君に向かって、小塚君は微笑んだ。少し、残念そうに。

「僕が行っても、きっと足引っ張るだけだよ。それだったら、七鬼のチームで頑張る。こっちは、任せて。」

小塚君……

譲ってくれた小塚君のためにできること…

「ちゃんと、翼たちに伝えるから。」

私は、そう呟いた。
小塚君は、一瞬驚いた後、また静かに微笑んだ。

「頼んだよ、アーヤ。」

その瞬間、サッカー場からドン、と何かの音が鳴り響いた。
服部さんの呟きで、それが何か確信する。

「銃声や……」

銃声!?
翼…コナン君…大丈夫だよね?



「工藤、撃たれたりしてないやろな……」


服部さんの呟きは私たちには聞こえず、乾いた空に消えていった。

成功→←最後の綱



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みずは翼(プロフ) - 吹雪姫さん» いいですね♪書かせて頂きます!! (2019年8月14日 22時) (レス) id: 9487e9fcb1 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪姫 - お願いです!KZ×コナンの夢主アリ小説書いてください! (2019年8月14日 18時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
みずは翼(プロフ) - 秋風優希さん» ほんとですか!?ありがとうございます!秋風さんも頑張ってください! (2019年1月4日 21時) (レス) id: 9487e9fcb1 (このIDを非表示/違反報告)
秋風優希 - この作品続きが気になりますね!同じKZ×コナン夢小説の作者として尊敬します! (2019年1月4日 20時) (レス) id: b1cee99cd5 (このIDを非表示/違反報告)
みずは翼 - まお??さん» 返信しなくて、ほんとすいません!パスワードど忘れしてたんですけど思い出したので、これから更新始めます! (2018年10月27日 16時) (レス) id: 142ba0a5c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みずは翼 | 作者ホームページ:http://mizuha.uranai@tututu  
作成日時:2018年7月23日 22時

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