【マギ】白銀の暗殺者 Ⅱ (ページ37)

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５．２年後ノ決意ページ37

それからAは毎日のように禁城に訪れ

紅炎のもとに遊びに来た

そんなAには誰も何も言わない

領主のことなど知っているからなのだろうか

ただ、彼女がどんな理由で来ていようと

紅炎にとって心が休まる時間を与えてくれるAにとても感謝していた

そんなこんなで時が過ぎるのは早く、Aと初めて出会ったときから２年経っていた

紅炎が１３歳、Aが１０歳

２人の性格はあまり変わらぬまま…

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『失礼します。紅炎様～お元気ですか～？』

２年間変わらず元気いっぱいで笑顔を振りまいているAがやってきた

彼女がここを訪れるのは週に３回ほどになってしまったが

相変わらず紅炎を癒しに来ている

(まあ…Aはそう思ってないかもしれないがな…)

Aは超天然だから仕方がない

紅炎はため息をつく

そろそろ自分を異性として意識してもいいのでは？と思う

我ながら恥ずかしい妄想だ

『今日も鍛錬ですか？お忙しいですね～』

「今度、皇帝陛下と両殿下と一緒に戦だ。仕方がなかろう」

『……そうなんですか』

Aは表情を暗くする

自分を心配してくれているのだろうか

「ふっ…心配するな。陛下と両殿下が負けるはずがないさ」

『…紅炎様もですよ』

「？」

『紅炎様も負けないですよ。十分お強いです』

「！」

光の灯った目で自分を見つめてくる

紅炎は微笑み、剣を置いてAの頭を撫でた

「俺はまだまだだ。陛下はともかく、殿下方のようになれていない…でも、その言葉…俺の力になれる。ありがとう」

ニヤリと笑って、Aの頭をくしゃくしゃと撫でまわす

Aは頭を押さえて頬を膨らませたが、すぐに笑顔になった

『紅炎様ならきっと大丈夫ですよ！すぐに殿下方のようになれます！私も…紅炎様の力になりたい』

手に力を入れるA

紅炎は首をかしげた

なんか今からすごいことを言い出す気がしてならない…

『私も剣の練習します！！』

予想通りすごいことを言い出したAに

紅炎はポカンと口を開けることしかできなかった