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真一郎「この年で生涯の伴侶が決まってるのに…俺は未だに彼女なしとか…」
万次郎「シンイチロー、男にはモテんだけどなぁ。」
「えっと…人生長いんだから、きっとこれから良い人現れるよ?」
Aが慰めるように真一郎の腕に触れると、彼はありがとうと言ってAの頭を撫でた。
_____
数年が経ち、Aは小学五年生になった。
塾の帰り道を歩いていると、見知らぬ少年と話している柴家の末っ子・八戒を見つけた。
Aが話しかけると、八戒は嬉しそうな顔をして振り返る。
「友達?こんにちは。」
三ツ谷「三ツ谷隆だ。よろしく。」
「柴田Aです。」
二人が握手を交わしていると、八戒はおどおどとした様子で辺りを見回していた。
「八戒、私一人だよ。」
大寿と共に来たと思ったのだろう。
Aの言葉を聞き、八戒は安堵の表情を浮かべた。
三ツ谷と別れ、Aと八戒で家路につく。
ふと八戒が足を止めた事に気付き、Aは振り返った。
「八戒?どうしたの?」
八戒「A…」
彼は拳を握りしめ、怯えているような、困惑しているような表情をしていた。
Aが近寄ると、彼はやっと顔を上げる。
八戒「A…Aはなんで兄貴と一緒にいるの?」
自分が物心つく前から共に成長してきたAは、姉のような存在だ。
だが実際血が繋がっているわけではないのに、何故ずっと柴家と関わり続けているのか。
ましてや大寿の日常的暴力という存在が、八戒の中の"何故"を大きくさせた。
「なんでって…それが当たり前だからかなぁ。」
当たり前?と八戒が首を傾げると、彼女は笑って八戒の手を引き歩き出す。
「足を交互に前に出すと歩けるし、こうやって誰かに手を引っ張ってもらうと自分も歩き出すでしょ?それと同じで、私が大寿君の事大好きだから、一緒にいるの。」
八戒「でも兄貴、すぐ殴るじゃん。それは嫌じゃないの?」
「嫌だよ?でも私がいる時、大寿君が八戒や柚葉を殴った事ある?」
八戒は頭の中で、Aが訪問した時の大寿を思い浮かべてみた。
彼女に対して嫌そうな顔はするものの、彼女自身を拒否はしないし、何より自分達に手を上げた記憶がない事に気が付く。
八戒が首を横に振ると、Aは笑って手を離した。
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子持ちししゃも(プロフ) - ムーンさん» コメントありがとうございます!もうすぐ完結なので、是非最後までよろしくお願いします🙏 (5月22日 15時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - きゃー🥰大寿といよいよですね、ドキドキワクワク🤣 (5月22日 8時) (レス) @page50 id: 899026d120 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - あの場面!!だいじゅが倒された場面やぁ…タカチャンがやられる前に気絶させるのは見させたくなかったとはわかる。 (5月11日 9時) (レス) @page45 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - 教会からの物音って……まさか、タカチャン達が……これは夢主がハラハラしてしまう (5月9日 17時) (レス) @page44 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - 鈴桜(元シオン)さん» いつもコメントありがとうございます🤭教会の場面は、この作品を書き始める時からイメージしてたので早く載せたいです! (2023年4月22日 10時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:子持ちししゃも | 作成日時:2022年5月7日 16時