【ダイヤのA】多分この世界は小湊亮介の手によって回っている。3

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【小湊side】


「ねぇ、嫌だった？」

笑いながら俺をずっとからかってくる滑川。



稲実戦、春市と途中交代したことに、悔しさがないと言えば嘘になる。

というか今日の今日まで胸の内にあるのはほぼ悔しさだった。

だから正直、今日こいつに会っても雰囲気が悪くなるだけだと思ってたけど、



「そっかそっか、嫌なのかー。小湊でも嫉妬とかするんだねー。」


『いや、俺何も言ってないから。』


そうでもなかったみたいだ。





「あのさ小湊、も、もしだよ？今後私が売れてさ、もっとドラマとか映画とか出るようになったとして…そ、その、き、キスシーンとかあったらどうする？」




キスシーン？




『どするって、

俺にはどうしようもないだろ、そんなの。』


…そりゃ嫌だけど。




滑川は少し考えるそぶりを見せた後、

「そっかー。…じゃあ受けてみようかな、」

そう言って上半身を下ろして屋上に寝そべる。



『なにを？』

「オーディション。主役に近い役なんだけどね、そういうシーンがあるって言ってたから考えてたんだけど、小湊がいいなら良いかなって。」


そう言って滑川は乾いた笑みをこぼした。


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