【ダイヤのA】多分この世界は小湊亮介の手によって回っている。3

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「なんでですか？顔ですか？」

そう、なぜAを好きなのかと、問い詰めてくる。


『いや、顔は別にどうでもいいよ。』


「じゃあなんで、」


好きなところ？そんなのありすぎて答えきれない。

強いて言うなら…

『Aの何事にも真っ直ぐなところかな。』

これは自信を持って言える。

「…っ、とにかく、

姉貴を泣かせるようなことしたらマジで許さないんで、」

そう悔しそうに言った顔は無駄に整っていて、やはりAに似たところを感じるのはさすが姉弟というか、

…でもその顔でシスコンは残念すぎる。



「それと、油断したら一瞬で取ってかれますよ。今だって、」

そう言って滑川弟は校舎の方を指差す。

俺もつられて視線をそちらに移せば、


『…楠木？』


楠木となにやら話しているAの姿が見える。


楠木は友達のいなかったAの唯一の話し相手だったからか、Aは楠木を信用しきっている。


…俺の勘では、楠木はAのことが好きだ。



「じゃあ、話はそれだけなんで、」

そう言って滑川弟は戻って行って、


『…ほんと誰に対しても警戒心ないよね、』

俺もAの元に向かった。


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