毒の華2【高尾和成】

華50 ページ10

”頑張り屋”









真はよくこの言葉を言ってくれた


頭を撫でながら、優しい顔で
”お前は頑張り屋だな”って…









貴「頑張り屋…か…
久しぶりに聞く単語だ」









和成は不思議そうな顔をする。









貴「私ね、人を好きになったことないなんて
嘘なんだ」

高尾「……」









貴「ただ、もう恋の仕方なんて忘れたし

好きとかそういうの分からなく
なっちゃったんだよね。

だから…和成のこと
好きになれるか分からない…ごめん」









初めて言った





初めて伝えた









今まではどんなに人を傷つけても
何とも思わなかったのに



君が傷つく顔は見たくない
そう思ったから









どんなに私のことを好きでいてくれても、
私は人を好きになれる自信もない。









だから…









.









高尾「いいよ別に、俺傷ついたって」

貴「え？」









高尾「傷つくことを恐れてて
人を好きになれるかよ

それに可能性は0じゃねーんだろ？

だったら、俺にもチャンスがあるって
ことじゃん？」








.









何なの…こいつ…

何で…そんなに…









貴「本当馬鹿だね…」

高尾「あれ？褒めてる？」



貴「褒めてません」









ギャハハと笑う和成を見ていると、
少しだけ胸が高鳴る。









そばにいるだけで安心する。









.









そんな感覚何年ぶりだろうな…

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