毒の華2【高尾和成】

華47 ページ7

Aが鞄から取り出したものは





貴「はい」






これって……








貴「まとめたノート、
今回だけは貸してあげる」

高尾「いいのか？」









貴「今からじゃ間に合わないでしょ？
ただ、他の人には借りたって秘密にして」

高尾「なんでだよ」








その理由が分からなかった









貴「自分が努力して、
時間をさいて作ったノートを

なんでただ遊んでいるやつに
貸さなきゃいけないわけ？

そんな私お人好しじゃないからさ」








お人好しを強調しながら話すAは
さっきの俺のことを言っているのだろう




まあたしかにAは周りの奴らに
教えたりはするけど
ノートとか貸したりはしないよな…







ん？待てよ……
じゃあ、何で俺に？









高尾「じゃあなんで俺に…？」

貴「あれ？それ聞いちゃう？」





高尾「ダメか？」

貴「んー」









この沈黙、
結構ドキドキするな









貴「別に特に理由はないよ
ただ貸してもいい…そう思ったから」









それってどういう意味なんだろう…








少しは俺に好意を
持ってくれたのだろうか…

それとも
ただの気まぐれか？







少しの間考えていると、
Aが口を開いた









貴「まあ、
こんなこと言った人和成だけだし、
自分でもよく分からないや」









初めて…
その言葉が凄く嬉しい









支度をし帰ろうとしているAと、
どうしてもまだ一緒にいたくて









でも…
こいつは勉強しなきゃだよな…









そう思っていても、
自分の心には嘘はつけねーから









.









高尾「あのさ、勉強教えてくんね？」

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