毒の華2【高尾和成】

華66（過去） ページ27

告白されて振った俺が
こんなことを思うのは
いけないことなのかもしれねーが




それでも俺たちは
昔からずっと一緒だったから…









バラバラになるのだけは
どうしても嫌だった。









花宮「ああ、でも…」

愛美「分かってる分かってる！
今まで通り3人で仲良くしよ？」









案外平気なもんなのか？









花宮「ああ…」









そう言った瞬間だった…









(ガタンッ)


「伊月さん！？」









一つ下の階から大きな音と、
声が響いた。









花宮「A！？愛美行くぞ」









そう言ってもなかなか動かない愛美。









花宮「おい！」


愛美「ねぇ、真？Aと私が
2人とも危険な目にあったら、
あなたはどっちを助ける？」









花宮「何言ってんだお前…」

愛美「どっち？」









花宮「2人とも助けるさ、
まあ、お前は強いしそんな心配ないだろ」









愛美「……あはは、そうだね。
ごめん、変な質問して」

花宮「ああ」









愛美「でも、私に何かあったら
駆けつけてくれるでしょ？」

花宮「当たり前だろ」









愛美「それが聞けただけで十分だよ」









そう笑った顔は…
本当に儚げで



今にも消えてしまいそうだった。









なぜ気づかなかったのか…









こいつのことガキの頃から
見てきたはずなのに

今の俺にはAのことで頭がいっぱいで









.









何もかもが見えなくなっていたんだ。

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