嘘【御幸一也】

嘘6 ページ8

御幸「A、帰るぞ」

貴「はーい、今行く」


倉持「………」



部活も終わり、
いつも俺はAを家まで送って行く。




貴「ねぇ…御幸？
今日の昼休みのやつ本当ごめんね？」

御幸「ん？何のことだよ」



貴「暁のこと。
急に”座ってください”っていうから
何かと思ったら、膝枕してきたんだ」

御幸「ああ…そのことか。
別に気にしてねーよ」


つーか、気にしてたのかよ。
こいつ意外にそういうの気にするからな。


それより俺が気になるのは倉持のことだ。




少しだけ鎌かけてみるか？




御幸「それより、Aって倉持と
中学から一緒なんだろ？
あいつって好きな奴とかいんの？」

貴「は？！」



明らかに動揺している。



御幸「いや、だってあいつそういう話しねーから気になってよー。
いたらからかってやろーと思って」


貴「ああ…そういうこと…、
私も倉持とそういう話しないから
分からないな」



そう笑った彼女は確実に
嘘をついていると確信した。


俺は倉持ほどの洞察力はないにしても、
他のやつよりは気づく方だ。




ましてや、好きな奴が
嘘をついていることくらいわかる。



”いんのかなー、倉持に”

とか笑いながら話すAに
俺はいつもの質問をする




御幸「なぁ…俺のこと好き？」

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